複雑・ファジー小説

Re: 竜装機甲ドラグーン ( No.135 )
日時: 2014/04/29 17:55
名前: Frill ◆2t0t7TXjQI (ID: Z7CFL5rC)

 軍艦巨船アナンタでは、未知の残留物質によるジャミングによって、出撃したドラグーンパイロットたちと連絡が途絶え、通信不能となったていた。

 オペレーターたちは早急に現状を打破すべく、手を尽くすが一向に彼女たちと交信は不通だった。


 「・・・一体なにが起きてるの?・・・みんな・・・」


 オペレーターのひとり、ミヅキがブラックアウトしたままのモニターを見つめ、呟く。

 その時、操作盤上の脇に置いていた写真立てのガラスにひびが入る。


 「えっ・・・?」


 ミヅキは亀裂が走った写真立てを凝視する。

 六人の少女が笑顔で撮られた集合写真。

 ミヅキ、ヴェロニカ、エウロペア、シャオ、アリーザ、しかし、その中のひとりの少女、ロゼが映った箇所だけが割れていた。



 言い知れぬ不安。



 胸を締め付けられる感覚。



 とても、とても嫌な予感がミヅキの背中を伝った。


























 地球を襲った未知の怪現象。


 星空を覆う白塵の照光は緩やかに鎮静化された。


 それに伴い、世界各地で竜種の減少が確認された。


 人類は辛うじて生き残る事が出来たのだ。


 ひとりの少女の尊い犠牲によって・・・。
































 終わらない夢は無い。



 明けない夜は無い。



 例え、それが、どんなに楽しく、幸せな夢でも。



 例え、それが、どんなに辛く、悲しい悪夢でも。



 目覚める時は来るのだ。



 確実に。


 
 現実となって。



 やがて訪れる未来。



 終焉の切符を先延ばしたに、過ぎない。



 今はただ、悦べばいい。



 今はただ、哀しめばいい。



 『それ』は静かに待っている。



 深い、深い、星の中心。



 命の流れに身を任せて・・・。