複雑・ファジー小説
- Re: 竜装機甲ドラグーン ( No.145 )
- 日時: 2014/05/04 13:22
- 名前: Frill ◆2t0t7TXjQI (ID: 3rH6u80U)
「うわぁあっ!! デカい!!! 実際に見ると、とてつもなくデカい!!! てぇえええいっ!!! 烈根蛇咬双牙!!!!」
ルウミンがペクヨンの根をトンファー形態に変化させ、巨体を波打たせ襲い来る邪龍の首のひとつに連撃を叩き込む。
しかし、黒い蛇腹の鱗に亀裂を入れるが、阻まれ弾かれ跳ね返ってくる。
「しかも、もの凄く硬い!!?」
驚愕するルウミン。
「くっ! コイツ、何処が弱点なんだ!? はぁああああっ!!! 烈弓鷲襲爪葬!!!!」
フェンがショクインの引き絞った長弓から光迅の矢を幾重にも解き放つと空を撫でる風切音が炸裂し、邪龍の頭蓋に着弾、爆発する。
爆煙から二匹の龍蛇が凄まじい勢いで滑空し、ふたりに襲い掛かる。
「攻撃がほとんど効いてない————くそおっ! 何て化け物なんだ!!」
流動し迫る巨躯を躱す二機。
「くううっ!!」
「んんっ!!」
かろうじて躱した機体の肩甲が砕け飛ぶペクヨン。
ショクインの胸部の外装にも掠められた牙で削られた跡が残った。
躰をくねらせ翻し、赤い双眸を燈らせる邪龍。
絶望的な状況だった。
圧倒的な戦闘力を有していた。
だが、諦めはしない。
諦めたくない。
武器を構えるルウミンとフェン。
「・・・ほとんどのエネルギーを消費しちゃうけど、あれをやるしかないね」
「・・・うん、全力で行こう」
相対する二頭の邪龍が吼え、ふたりのドラグーンの眼前に巨大な大口を開け広げて襲い来る。
「「竜合心技!!!! 不破天地爪牙!!!!!!」」
二機の竜機が輝き、迫る二頭の蛇竜の頭を口ごと飛び込み貫いた。
首から上が爆裂し砕け散る。
「やったっ!!!」
「やったよっ!!!」
しかし、喜びもつかの間。
頭部を消失した邪龍が不気味にしなりだすと、瞬時に破壊されたはずの頭を復元してしまった。
「えっ・・・」
「なっ・・・」
絶句するふたり。
「喰らえっ!! ヴァイパーキャノン!!!」
ヒュドラが両腕のキャノン砲を連発し、邪龍の一頭を押し止める。
その背後から二頭目が牙を剥き喰らい付こうと忍び寄る。
「そこっ!! ファランクス・ボアーミサイル!!!」
機体大腿部から展開された大型ミサイルが爆裂する。
黒煙に紛れ、三頭目が襲い掛かるが、マリアは迫るその巨大な鼻面に拳を叩き付け、パイルバンカーを連続で打ち込む。
「砕け散れ!!! ヴァリアブル・ヘビーマイトクラッシャー!!!!!」
打ち込んだパイルを切り離すと、爆散。
それでも不十分だとばかり、次々とマイクロミサイルを展開する。
「これで!! どうだ!!! パンドラ・サウザンドヒュージミサイル!!!!!」
ばら撒かれる無数の小型ミサイル。
大爆発が起き、大閃光が貫き、大轟音が轟く。
だが、包まれた爆煙から覗かせる六つの赤い悍ましい眼光。
「えええ〜!? ・・・あれだけの弾幕を浴びせたのに・・・!!!」
三頭の邪龍が悠然と触首をもたげさせ躍り掛かる。
「ドッペラーシステム!!! アームドパージ!!!!」
ヒュドラの装甲が弾け飛び、黄金の輝きを放ちながらハイドラが出現する。
「サイキスウェーブ!!!!」
両手から発せられた衝撃波を喰らい、頭蓋や胴体がひしゃげて仰け反る邪龍。
「エイミングサークルリッパー!!!!」
両手をかかげて波動を集中させると巨大な円形の波動輪が形成される。
ハイドラがそれを勢いよく投擲すると、邪龍の首を次々と切り刻み、三つの頭を輪切りにしてしまった。
「よしっ!! みんなの援護に・・・」
瞬間、細切れにされた首がブルリと震え、肉が組み上がり三頭の竜蛇の頭蓋を修復してしまった。
「ええっ!!? そんなのあり!!?」
邪龍が一斉に嘶く。