複雑・ファジー小説

Re: 竜装機甲ドラグーン ( No.146 )
日時: 2014/05/03 12:47
名前: Frill ◆2t0t7TXjQI (ID: UcSW/zmZ)


 バハムート、シェンロンが艦砲射撃を繰り返す。

 「撃てぇえええええっ!!!!! 出し惜しみはするなっ、全弾撃ち込めぇええええっ!!!!!」

 バハムートブリッジでミヅキが指示を出す。


 
 「目標は目の前のドデカい的よ〜!!!! しっかりメイちゃんたちを援護するのよ〜!!!!!」

 シェンロンブリッジからもエウロペアが指示を送る。

 二隻の艦体からの怒涛の砲撃が邪龍を包み込む。

















 三つの邪龍が猛然と絡み合い、押し寄せ、激しい烈風が引き起こされる。

 紅の残像を刻み、高速飛行をするペンドラゴン。

 「しつこいですわね!! いい加減、墜ちなさい!!! シュート!!!」

 機体装甲が分解、離剥するのではないかという荒れる大気の奔流の中で、長スピードで反転、旋回しビームライフルを撃ちまくるエリーゼル。

 同時に射出展開してい何基ものファンネルも一斉にビームを放つ。

 「まだまだっ!!! サテライト・デルタフォーメーション!!!!」

 飛び交うファンネルがそれぞれ組み合わさり、巨大ユニットを形成する。

 「薙ぎ払え!!!! ミリオン・フォトンガンマティ!!!!!」

 巨大ユニットがエネルギーを凝縮させ、一気に極大の閃光を穿つ。

 光子流が邪龍の頭蓋を撃ち抜き、風穴を開け、頭が歪に膨張すると烈破した。

 「やりましたわっ!!!」

 しかし、粉砕された首の裂痕が盛り上がり、瞬く間に骨格を形成、外装と装甲を纏い、元の状態に復元してしまった。

 咆える邪龍。

 「なっ!!?」

 お返しとばかりに巨頭の口角を限界に開き、暗黒の光塵が圧縮され、創り出される。



 
 一閃。

 


 漆黒の熱線。




 空間を切り裂く。



 
 瞬時にファンネルが盾となり、ペンドラゴンを庇うがたちまち融解してしまう。
 

 
 その場を離脱し、超速で飛翔するエリーゼル。

 空中を駆け抜ける紅の機影。

 それを追い掛け、追いすがる黒壊の魔光。

 「くぅうううっっ・・・!!! か、躱しきれないですわっっっ・・・!!!!」


 闇の流動が間近に迫る。

 このままではっ・・・!!!


 








 





 穿たれる銃閃とそれを弾く剣閃。


 「墜ちろっ!!! ブラスターウェイ!!!!」

 ジズがレーザーの雨を降らせる。


 「燃え散らせっ!!! 機功剣・火竜熱衝!!!!」

 ヴァリトラが炎を纏う剣を振るい、レーザーを爆散させる。
 

 空中を飛び交い、互いに激しい攻防を繰り返すシャオとアリーザ。

 だが、双方決め手に欠けていた。

 アリーザが意図的に長引かせている事も要因だが、シャオもかつての仲間に対し、非情に成り切れない部分があった。
 
 「・・・ふふふ。どうしたの、メイメイ? 本気で来ないと何時まで経っても終わらないわよ。それとも、戦っているお仲間が気になるかしら・・・? 助太刀に行ってもいいのよ、往けるものなら、ね・・・」

 アリーザのあざけるような哄笑が耳に届く。

 「・・・あやつらの事ならそれほど心配しておらん。それより、お主こそ本気でかかって来ておるまい? ・・・それに、お主、既にドラグーンの機乗適齢限界を超えているはずじゃぞ? さては己の身体に人道外の施術をほどこしたか・・・」

 アリーザの言うとおり、戦う仲間が気になるのも集中を欠く原因のひとつだろう。

 すぐに助けに行きたいが、自分は彼女たちを信じている。

 今は、この者に一矢報いらさねばなるまい。

 そうすれば、この邪龍も大人しくなるはず・・・。
 


 「そうね、私もジズもとっくの昔に限界は超えているわ。ドラグーンの適正限界は長くもっても、二十歳そこそこまで。それ以上は、起動させることは出来なくなる。投与された竜種細胞は加齢と共に徐々衰えて肉体のなかで自然消滅する、貴方やヴェロニカのような特殊な例を除いて。・・・本来ならば」


 アリーザは意味有り気に眼を細めた。