複雑・ファジー小説

Re: 竜装機甲ドラグーン ( No.152 )
日時: 2014/05/09 21:21
名前: Frill ◆2t0t7TXjQI (ID: ZxqcZXZM)


 ミカエラは哄笑すると肉の中に埋もれていった。

 そして動き出す超竜。

 互いに貪り喰らい、侵食する白と黒の龍。

 それらは混ざり合い、絡み合い、ひとつの形へと昇華されていく。

 十三の翼と十四の首。

 光と影。

 相反する双竜。

 

 「・・・お前は何がしたいんだ・・・何が望みだ・・・」

 アリーザはミカエラに問う。

 『証明すル・・・ワタシの『力』ヲ・・・ワタシたちの『存在』ヲ・・・』

 眼前に白と黒に分けられた一際巨大な竜頭が十四頭めの首をしならせ、ミカエラの声質で語る。

 『すべての生物に・・・すべての存在に・・・すべての次元に・・・すべての宇宙に・・・知ら示すのダ・・・』

 その首が咆哮を上げる。

 途端に大気中が無音となり、すべての音が遮断される。
 
 そして、震え出す。

 凄まじい空震が起こる。


 ————大地から ————海から ————空から 


 やって来る。

 
 ————竜種。


 そして原竜種。


 すべてを染めて。 埋め尽くして。 


 世界中のすべての竜種が目指してやって来る。


 母なる竜のもとへと。

 

 
 「な・・・」

 「え・・・」

 皆言葉を失う。

 黒い塊が隙間なく埋め尽くしてやっくるのだ。

 地も海も空も。

 あまりの数に呆然としてしまう。

 すると赤い閃光が走り、群れを消し去る。

 「何を突っ立っているのですの!? 戦わなくては!!! 艦体を守るのですわ!!!!」

 エリーゼルが叱責し、ペンドラゴンが竜種の群れに突っ込む。

 「・・・うん、そうだね!! あたしたちがやらなきゃ!!!」

 マリアが頷き、ハイドラを滑空させる。

 「・・・わたしたちも・・・!!」
 
 「・・・僕たちも・・・!!」

 ルウミンとフェンも互いに頷き、ペクヨンとショクインを飛翔させる。

 セツナはバハムートの発着場にシズクたちを預け、候補生たちに任せると自分も竜種の群れに向かおうとした時、突き刺すような視線を感じた。

 機体を翻して旋回する。

 「今のは・・・」

 飛翔し、降下すると十四の巨大な首が一斉に雲を縫って襲い掛かってきた。

 「!!!!」





 

 








 「ドラゴニックバスターブラスト!!!!」
 
 「ドラゴンノヴァー・レイ!!!!」

 ペンドラゴンとハイドラが共に極大の閃光を放ち、竜種を殲滅させる。


 「「不破天地爪牙!!!!」」

 ペクヨンとショクインの合体技が炸裂し、竜種を討ち滅ぼす。

 だが、それでも空間を埋め尽く異形。

 そして一番厄介な原竜種が徒党を組み襲い掛かってくるのだ。

 圧倒的に不利。

 だが、それでも自分たちがやらねば・・・。

 四方から攻め立てる敵に構える。




 ————と。




 「「「ラグナロク・ファイナルエクスジャッジメント!!!!!」」」

 轟爆の白き大槍グングニールが突き抜け、竜種、原竜種を纏めて塵と化して白光の巨体を輝かせ、巨大な槍を携えて巨人が現れた。

 「「「ヘルヘイム・クリムゾントルネード!!!!!」」」

 巨体が旋回して超巨大な竜巻を作りだし、ことごとく竜種を吸い込み、根こそぎ粉砕していく。

 「「「ライト・ゴッドネス・ドラグドレッド!!!!!」」」

 両手を突き出し構えると背部のウィングバーニアが輝き、胸部の龍頭が開口して光が集束され、発射された。


 超極特大閃光。


 瞬時に半数以上の竜種、原竜種が消滅された。


 白き大竜、ユグドラシルが巨腕を上げる。

 「またせたな、来てやったぜ!!!」

 「なんだか随分大変な事になってるみたいですね」

 「暴れ甲斐がある」

 コックピットでドミニア、ペルーシカ、セラフィナがそれぞれ話す。



 「美味しい所を持ってきますわね・・・」

 「うわああっ! 変形合体ロボだ!」

 「これでこっちが一気に有利になったよ!」
 
 「反撃開始だね!」

 エリーゼルたちが活気づく。





 ユグドラシルが大槍をかかげる。


 「さあ、かかってこい! 竜種ども!!」