複雑・ファジー小説

Re: 竜装機甲ドラグーン ( No.2 )
日時: 2014/03/22 03:03
名前: Frill ◆2t0t7TXjQI (ID: 3iZuTr1t)

 大空を翔る三機のドラグーン。

 遠方に目標の「竜種」が確認できる。

 「あれ?皆、ちょっと待って。反応がおかしい・・・」

 オレンジカラーのドラグーン『ヒュドラ』が他の二機を呼び止める。

 レッドカラーのドラグーン『ペンドラゴン』が振り返り、聞く。

 「どうしましたの、マリア?さっさと片づけて・・・」

 ブルーカラーのドラグーン『ワイバーン』が周りを警戒し剣を構える。

 「・・・! 囲まれている!!」

 雲の中から次々とその姿を現す多種多様な「竜種」。

 その数は大空を埋め尽くす程だ。


 
 バハムートブリッジ内。

 「こ、これは!?艦長!敵影無数に確認!!そんな、いつの間に!!」

 モニターには無数の竜種が空をひしめき合って向かってくる映像が映し出されている。

 だが、艦長ミヅキ・タチバナは慌てる事無く指示を出す。

 「想定内だ。ドラグーンパイロットに告ぐ。作戦はそのまま続行。竜種殲滅を優先せよ!艦に一匹たりとも近づけるな!!」



 三機のドラグーンのパイロットはその指示を受け、それぞれ頷く。
 
 そして襲い来る竜種の群れに飛び込んでいった。

 



 「それそれそれっ〜!穴だらけにしちゃうぞ〜!!」

 旋回しながら両腕に搭載されたガトリングガンで周りの竜種を次々と撃ち落すオレンジ色のドラグーン。

 激しい弾幕を掻い潜った竜種たちが鋭い牙と爪で躍り掛かってくる。

 「おっと!危ない♪」

 襲い来る竜種に拳を喰らわせ、その腕から射出されたパイルバンカーで串刺しにし、周囲の竜種もろとも爆散させる。

 太い腕と丸太の様な足で竜種たちを薙ぎ払い蹴り潰すヒュドラ。

 かなりの数を撃破したが、それでも無数に蔓延る竜種。

 「やっぱ多いな。よ〜し、あれやろう!ジェネレーター出力増加、パワー充填、ロケットポッド開口!」

 ヒュドラの肩部、脚部、胸部、背部の装甲が開いて幾つものリアクターがせり出し蒸気を排出する。そして無数の射出口が開きその穴を覗かせる。

 コックピットのマリアがモニター埋め尽くす無数の赤い座標を固定していく。

 「ターゲット補足完了!!それじゃいくよー!!!パンドラ・サウザンドヒュージミサイル発射ファイヤ————!!!!」

 次の瞬間ヒュドラから何本ものミサイルが撃ち出される。そのミサイルが割れ、細分化された無数のミサイルが周囲の逃げようとする竜種たちを追いかけて着弾する。

 凄まじい爆音と閃光が空を包み込み、衝撃波で雲も竜種も消し飛ぶ。




 
 ヒュドラの周囲には竜種はその姿を消し、雲ひとつない大空の蒼さだけが残っていた。

 「お掃除完了♪」

 ツインテールの美少女マリアが可愛らしくウィンクする。