複雑・ファジー小説

Re: 竜装機甲ドラグーン ( No.22 )
日時: 2014/03/28 01:06
名前: Frill ◆2t0t7TXjQI (ID: JD.ktzjt)

 ドミネアに案内され、セツナたちはヨルムガントの訓練施設にやって来た。

 「ここがアタシたちの艦が誇る訓練施設バトルシュミレータールームだ。最新の技術で構築されたエミュレーターマシンが本物さながらの戦闘を再現させるんだぜ」

 広大な部屋に様々な最新の機材と設備が搭載され、中央には闘技場のような円形の舞台が設けられている。まるで中世のコロッセオの装いだ。

 「うわ〜っ♪凄い設備だね!さすがにこれほどの物はバハムートには無いよお、羨ましいな〜」

 マリアが物欲しそうにする。

 「・・・確かに凄いですわ。でもこれはヤリすぎなのでは?」

 エリーゼルが施設を見回し言う。

 「ふっ、心に余裕とゆとりがあるからだ。遊び心も大事なんだぜ?殺伐とした戦いだけじゃいつかパイロットはまいっちまう。こういうゲーム感覚の息抜きも必要だとアタシは思う」

 ドミネアが腕を組み話す。

 「それに手付かずの資源が豊富なのですよ。利用しない手はありません」

 朱い髪の先程から眼を閉じたままの少女が補足する。

 「申し遅れました。私はペルーシカ・マキシンと申します。ヨルムガントでドラグーンパイロットを務めさせていただいております。以後御見知りおきを・・・」

 ペルーシカは丁寧にお辞儀をする。

 「・・・ワタシはセラフィナ・メルギオス。同じくパイロットをしてる。よろしく・・・」

 その隣、紫の髪の少女もぎこちなく挨拶する。

 「では、改めてわたくしたちの自己紹介は、必要なさそうですわね・・・。それで歓迎というのは?施設を自慢したいだけかしら?」

 エリーゼルは髪を掻き上げて尋ねる。

 「まあ、それもあるが、単刀直入に言うとアタシたちと戦ってほしいんだ。もちろん、実戦じゃなく、このシュミレーターでな」

 そう言って舞台を指差すドミネア。

 「なるほど、ここにドラグーンは乗り込めないから仮想空間での戦いになるわけですわね。どうしましすか?ミス・マリア、ミス・セツナ」

 「あたしは全然いいよ、なんか面白そうだし!」

 「・・・わたしは遠慮する」

 マリアはやる気満々だが、セツナは面倒そうに断った。

 「という訳でわたくしとミス・マリアがお相手しますわ」

 「そうか、原竜種を倒した相手と戦ってみたかったが、噂は所詮噂に過ぎなかったか。これだけ挑発しても乗ってこないとは・・・拍子抜けだ、臆病風に吹かれたようだな」

 そう言い、心底残念そうに、小馬鹿にするドミネア。

 「原竜種を倒したってのも運が良かっただけだろう?実力がしれるぜ。戦うまでもない」

 そう言って鼻で笑う。

 そのあからさまな態度に沸点が一気に上昇するエリーゼル。

 「・・・あなた、お名前はドミネア?といいましたわね」

 眼がすわり形が良い眉がピクピクと動く。

 隣でマリアがそれに気付き、小さく溜息を吐く。

 「貴方たち程度の輩、わたくしひとりで十分です。三人まとめてお相手いたしますわ」

 エリーゼルが指差し、仁王立ちで力強く宣言する。