複雑・ファジー小説
- Re: 竜装機甲ドラグーン ( No.23 )
- 日時: 2014/03/28 01:19
- 名前: Frill ◆2t0t7TXjQI (ID: JD.ktzjt)
仁王立ちで挑戦的に佇むエリーゼル。
「おいおい、さすがに三体一じゃ勝負にならないぜ。お仲間に頼りな。アンタのその気概は嫌いじゃないがな」
ドミネアは呆れた風にかぶりを振る。
「・・・申し訳ありません、エリ−ゼルさん。ドミネアは少々言葉足らずで、誤解を招いてしまったようです」
ペルーシカが謝る。
「少し言い過ぎ・・・」
セラフィナがたしなめる。
だが、エリーゼルの静かなる怒りは収まらない。
「ちょうどいい機会です。砂礫の蛇使いの芸がどれ程か、わたくしに見せてくださいまし。まあ、無理にとは言いませんが」
「なんだと・・・?」
売り言葉に買い言葉。ドミネアとエリーゼルが睨み合い火花を散らす。
闘技場の円形の舞台。
ドミネアとエリーゼルが対峙する。
ドミネアの後ろにはペルーシカとセラフィナがいるが、二人とも困惑している様だ。対するエリーゼルはひとりだ。
それぞれ両脇に設置されたコックピット型のマシンに乗り込む。
手には己の登場する機体の戦闘データが蓄積されたメモリーカードがある。
「うちの艦長の伝手であんたらの機体データを写させてもらった。中は見てないから安心してくれ」
ドミニアが言い、そしてそれぞれカードをマシンに投入する。
周りにデータの羅列が現れ、訓練場はたちまちその全貌を変容させる。そこは果てしなく広がる荒涼とした砂漠になり、太陽が照りつける熱砂の海を現出させた。
その砂漠に白のドラグーン率いる三機が立ち、紅のドラグーンが悠々と立っている。
「うわあああ〜っ!!何これ!?超凄いんだけど!!!」
リアルに表現されたバーチャル世界に興奮するマリア。不思議そうに見渡すセツナ。
「さあ、アンタの指定通り三対一だ。デカい事言ったんだからそれなりの実力を見せてくれよな?」
ドミネアが駆るドラグーン、フレースヴェルグの装飾された細剣が前方のエリーゼルが搭乗するペンドラゴンを指す。
「・・・はあ、仕方ありませんね。やりますよ、セラフィナ」
ペルーシカが搭乗するヴィゾフィネルがロッドを構える。
「わかった。すぐ終わらせる」
セラフィナが搭乗するニドヘッグも巨大なハンマーを構える。
三機に睨まれる紅の竜機はその重圧をものともせず、優雅にライフルを掲げて言う。
「・・・わたくしの事は罵ろうが、侮辱しようが一向に構いませんが、わたくしの仲間たちを馬鹿にするのだけは絶対に、断じて、一切、許しません」
そして身体の芯から底冷えするような声が響く。
「あなたたちを『断罪』しますわ」