複雑・ファジー小説

Re: 竜装機甲ドラグーン ( No.24 )
日時: 2014/04/09 12:27
名前: Frill ◆2t0t7TXjQI (ID: 5YaOdPeQ)

 紅の竜機ペンドラゴンからの背筋が凍るプレッシャーに一瞬たじろぐドミネアたち。

 「ふんっ、いいねアンタ!やりがいが出てきたぜ!!いくぞ!ペルーシカ!!セラフィナ!!」

 三機のドラグーンがそれぞれ腰を低く構えた刹那、ペンドラゴンを一瞬で取り囲んでいた。

 そして己が持つ武器を打ち込んだ。

 あまりにも早く、呆気なく勝負がついてしまった。

 誰もがそう思った。

 少なくともこの場にいるドミネアたち三人は。

 攻撃を受け、にも関わらず悠然と立つ紅の竜機。その姿が徐々にブレだし、残像を残して消える。

 そこには赤く明滅するファンネルだけが浮かんでいた。

 「「「!!!?」」」

 瞬間、頭上から紅い閃光が放たれ三機に直撃する。

 「ちぃっ!いつのまに!?」

 吹き飛びつつも体勢を立て直し、頭上を見る。

 長大なライフルを構えて見下ろす紅のドラグーン。連続でビームが撃ち込まれ、三機は身を翻し飛翔する。

 ペンドラゴンは射撃しつつ後方に低空飛行する。それを追い掛け三機が迫り来る。

 「逃がさねえぜっ、赤いの!!」

 フレースヴェルグが鋭いレイピアを機体に突き立てる、だが、手応えが無い。ペンドラゴンの姿が揺らぎ掻き消えると赤いファンネルが発光していた。

 「!? またか!幻影を投射するユニットか!!」

 何処からともなくビームが撃ち込まれ、レイピアで弾くドミネア。

 「!! そこです!!」 

 ペルーシカが駆るヴィゾフィネルがロッドを振ると変形して、連なる刃の鞭を繰り出し斬り付ける。何もない空間に亀裂が走るとそこから赤い盾を構えたペンドラゴンが揺らぎながら現れた。

 「インビジブル・ミラージュ。よく見抜きましたわね。褒めて差し上げますわ」

 エリーゼルが飄々と言う。

 その頭上から巨大ハンマーを振りかぶり、セラフィナが操るニドヘッグが襲撃する。
 
 「もう逃がさない。叩き潰す」

 振り下ろされる巨鎚の一撃を流れるように躱しライフルで撃ち抜こうとするが、

 「させるか!!」

 「終わりです!!」

 二機のドラグーンが肉迫し、ペンドラゴンに攻撃を加えようとした時、後方からビームが連続で撃ち込まれ体勢を崩す。

 「なに!?どこからだ!!」

 「本物はここにいるのに!?」

 そこにはドミネアたちを囲むように複数のファンネルが飛行し狙いを定めていた。そして無数の赤い閃光を撃ち出しながら追尾してきた。

 ビームの豪雨に晒され逃げるドミネアたち。

 ファンネルを破壊し数を減らそうと試みるが、的確に、かつ素早く攻撃を躱し反撃してくる。しかも徐々に数が増えていく。

 「くそっ、まさかこんな一方的に!」

 「完全に相手を舐めてましたね、ドミネア」

 「まさに油断大敵」

 ファンネルに追い込まれ、一か所に固められるドミネアたち三機のドラグーン。

 そして頭上から声が聞こえる。

 「チェックメイトですわ。お三方々」

 紅のドラグーンがライフルを突き付けていた。