複雑・ファジー小説

Re: 竜装機甲ドラグーン ( No.40 )
日時: 2014/04/04 00:19
名前: Frill ◆2t0t7TXjQI (ID: syyiHjY.)

 岩盤に埋もれ、黒煙を上げる大破した蒼い竜機。

 胸には大きな穴が穿たれ、その機能を停止している。

 その機体をバイザー越しに見つめる黒衣の少女。

 「・・・この機体、まだあの研究を続けていたというの?あの子の『適合』がどれほど進んでしまっているのか、心配だわ・・・」

 少女は先程の無機質な声では無く、柔らかい声で呟く。変声機能をOFFにしているのだ。 

その黒衣の少女の背後からふたりの少女が歩み寄る。

 「あの少女はどうしますか?部屋に閉じ込めたままですが・・・」

 「私たちが送りましょうか?」

 少女たちは同じく顔を覆うバイザーを装着しており、素顔は視えないが髪と色、輪郭、体系も同じことから双子のように思われる。違うのは互いのボディスーツの色であった。
 
 「・・・あの子のことは私がなんとかするわ。今はまだ私たちの正体は明かせないけど、いずれ・・・」
 

 その時、原生林地帯に大爆発が起き、大地を大きく揺るがす。それと同時に上空を飛翔する三機のドラグーン。

 「!!! 奴らか!見つかったのか!?」

 黒衣の少女が空を見上げる。
 
 「すぐに応戦します!!」

 「奴らの好きにはさせない!!」
 
 頷く双子の少女。

 そして少女たちは原生林に駆けて行った。









 突然大きな爆発が起きて壁に叩きつけられたセツナ。ベッドは倒れ、照明は粉砕した。

 呆然としていたセツナは部屋の扉が爆発の衝撃で変形し、隙間が開いているのが目に留まった。











 「Heeey。本当にここで間違いないデスカ、ミカエラ?」

 三又の長槍を持つエメラルドグリーンのドラグーン、ケツァルカトルが聞く。

 「ええ、確かな反応があった。間違いない、黒い奴がいる」

 日本刀の様な刀剣を持つミッドナイトブルーのドラグーン、ティアマトが返事をする。

 「なら、ちゃっちゃと片づけようよ。ミカエラ、スフィーダ」

 二挺拳銃をクルクル回すアーミーカラーのドラグーン、ユルングが言う。

 「そうね、この火山地帯ごと沈めれば嫌でも出てくるはず。派手にやって、スフィーダ、リヴァネ」

 そしてそれぞれ武器を手に大地に滑空する。









 


 島の各地で爆発が起き、大地を激震させる。

 「HaHaHaHa!!BerryExcitingネ!!! Kill、Kill、Killデス!!!」

 長槍から雷撃を降らせるケツァルカトル。


 「さっさと出てきなよ!ジャップ野郎!!綺麗に穴でデコレーションしてあげるよ!!!」

 二挺拳銃を撃ちまくるユルング。








 「あの火山の核を破壊すれば即ゲームオーバーね」

 太刀を携え、火山へと飛翔するティアマト。そこに漆黒のドラグーンが双剣で斬りかかる。

 それを素早く太刀で弾き返すティアマト。

 「ふんっ!ようやくお出まし?。かくれんぼはお終い?人類の裏切り者さん」

 対峙する二機のドラグーン。

 「・・・」
 
 無言の漆黒のドラグーン。

 刀をかざしティアマトのコックピットで機体と同じ藍色の髪の少女ミカエラが軽蔑する眼差しで漆黒のドラグーンを視る。

 「否定は無しと・・・。でも無言は肯定しているも同然!!!」

 太刀を振りかぶり斬り込むティアマト。

 双剣で斬りかかる漆黒のドラグーン。

 二対の竜機が激突した。