複雑・ファジー小説

Re: 竜装機甲ドラグーン ( No.51 )
日時: 2014/04/05 02:18
名前: Frill ◆2t0t7TXjQI (ID: QpYqoTPR)

 南太平洋火山島諸島。

 大地に複数のドラグーンとその搭乗者たちが一同を会していた。



 「ひさしいな、シズクよ。息災か?」

 中華風の幼女が手当てを受けている黒髪の少女シズク・アオイに声をかける。

 「お久しぶりです。マイスター・シャオ。お陰様で。今はこんな状態ですが・・・」

 「うむ。それだけ喋れれば問題ないだろう。リーシェ、リーファ。お主たちも無事でなによりじゃ」

 隣で治療を受ける双子の少女に話しかける。

 「はい、マイスター・シャオ。丈夫が取り柄ですから」

 「マイスターにみっちり、扱かれましたので」

 幼女は可愛くも貫禄がある声で笑った。

 「はっはっはっはっ!言うではないか、こうして皆に逢えて、儂は嬉しいぞ」

 そして傍らで昏々と眠る黒髪の少女を視る。

 少女はマリアとエリーゼルに心配そうに見守られていた。

 それを介抱するのはシェンロンの竜機乗りの少女ルウミンだ。

 ポニーテールを揺らし、甲斐甲斐しく状態を確認している。

 「心配しなくても大丈夫ですよ。過労みたいなものですから、ぐっすり眠れば問題ありません」

 「うう、かわいそう。セツナっち・・・」
 
 「無事でよかったですわ、ミス・セツナ・・・」

 
 


 シャオは向き直り、真剣な顔でシズクと話す。

 「・・・して、お主の妹、セツナだったか。覚醒したのか?機体を見る限りでは『器』に匹敵するようじゃが」

 シズクは重い表情になると言う。

 「いえ、機体はおそらく、ワイアームの複製品コピーかと。ですが、オリジナルに迫る能力を持っていると思われます。私は文字通り、手も足もでませんでした」

 シャオは腕を組み、眠るセツナを見る。

 「・・・ふむ。不思議な少女じゃな。ちと興味が湧いて来たわ。少し儂に預けてみんかのう?鍛えてみたい」

 シズクは少し考え、頷き言う。

 「私もそう思ってました。マイスターの元ならと。私ではあの子を導いてやれそうになくて・・・。それに・・・」

 その時、上空に偵察から戻ってきた数機のドラグーンが降り立つ。

 濃紺のドラグーンから少年ぽい少女フェンが降りる。彼女もシェンロンの竜機乗りだ。

 「シャオ老師!やはり既に島からは退却してしまったようです」

 続いて他のドラグーンたちからも少女たちが降りて言う。

 「派手に自然破壊して逃げた様だな。リヴァイアサンの連中」

 「彼女たちとは交流も無く、情報も少ないのでデータベースをハッキングしたのですが、厳重なプロテクトに邪魔されました。時間があれば破れますが・・・」

 「善くない噂。聞く」

 ドミネア、ペルーシカ、セラフィナが話す。

 シャオはチラリとシズクを見てから皆に言う。

 「リヴァイアサンは生化学企業『エキドナ』のお膝元じゃからな。噂が立つのは仕方ない。さあ、皆の衆、もうすぐバハムートが到着するはずじゃ。破損したドラグーンの機材改修で忙しくなるぞ」

 シャオはシズクと話す。

 「詳しい話は後回しじゃ。これから忙しくなる、色々とな」

 そう言って地平線から飛行してくるバハムートを見やった。