複雑・ファジー小説

Re: 竜装機甲ドラグーン ( No.56 )
日時: 2014/04/05 15:36
名前: Frill ◆2t0t7TXjQI (ID: RXugjDaQ)

 空中戦艦バハムート艦内艦長室。



 「・・・そうですか、彼女たちは無事だったのですね」

 艦長ミヅキはシェンロンのドラグーンパイロット、シャオ・メイメイと対面していた。

 ソファーに腰掛け、話をしている。

 「事情が事情だけに話す事が出来なかった、許してやってくれまいか?ミヅキ。皆を守るためじゃて」

 ミヅキは悔しそうにする。

 「おかしいとは思ってたのです。まさか、エキドナが直接関わっていたなんて・・・。当時の一構成員だった私には判らなかった。研究の噂は事件が起きた後に知りました。私がもっと、しっかりしていれば・・・」

 シャオは自分を責めるミヅキを慰める。

 「ミヅキよ、悲観するではない。あの子らはお主を恨んで等おらん。むしろ、世話になったと、感謝しておったぞ。それに、強い。心もな。決して自らの運命に屈したりはせん。それは、あの子たちを傍で見守っていたお主が一番理解しておろう・・・?」

 ミヅキはシャオの言葉に頷く。

 「・・・はい、先生・・・」



 少し間を置き、流れを変えるようにシャオが話す。

 「・・・して、ミヅキよ。セツナ・アオイの件じゃが。了承してくれたかのう?」

 ミヅキは気を取り直しシャオと会話を続ける。

 「セツナとワイバーンの移送のことですね。すでに許可は得ております。シェンロン艦長とは旧知の仲ですから、喜んで引き受けてくれました」

 「そうか、それは良かった。儂は昔からヤツだけは苦手でのう・・・。お主の口添えがあって助かったわ。下手に頼むと艦長権限でえらい小っ恥ずかしい目に遭わせられるからの・・・」

 シャオは何かを思い出し、身震いした後ゲンナリした。

 「艦の皆には私から事情を説明しておきます。もちろんすべてを話すわけにはいきませんが・・・」

 ミヅキの返事にシャオは頷き、言う。

 「あの子はまだ本当の力の使い方を知らん。いつ、また暴走するやもしれん。己の力を制御することから学ばねばならん」

 そして笑いながら明るく話す。

 「なに、心配はいらん。儂は若者の未来を育てるのが趣味みたいもんじゃからのう。みっちり鍛えて最高の竜機乗りにして帰してやろうぞ」

 貫禄のある笑い声を上げる幼女を頼もしく見守るミヅキであった。