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複雑・ファジー小説
- Re: 竜装機甲ドラグーン ( No.57 )
- 日時: 2014/04/05 18:33
- 名前: Frill ◆2t0t7TXjQI (ID: nLPrrFyW)
上空を飛翔する赤いドラグーン、ダハーカ。
頭部は破壊され既に無く、両腕に半壊した上半身の漆黒のドラグーン、ワイアームが抱かれている。
最新の注意を払い、竜種に遭遇せぬように飛行していた。
ダハーカには銀髪の双子の少女、リーシェとリーファが搭乗しており、ワイアームのコックピットにはシズクが乗っていた。
「よろしかったのですか、シズクさん。ミヅキさんに逢わなくて・・・」
「私たちも直接会って訳を話した方が・・・」
双子の少女がワイアームの半壊した搭乗席に身を寄せる黒いパイロットスーツの黒髪の少女に話しかける。
「・・・大丈夫よ、あの人なら。判ってくれる。それに後の事はマイスターに頼んだから。私たちは私たちに出来る事をしましょう」
セツナは半壊したコックピットの間から吹き込む強い風に眼を細める。
そう、自分たちにはやるべき事が山ほどあるのだ。
世界で暴れる竜種どもは彼女たちに任せよう。
私たちは世界の裏で暗躍する者たちを止めねばならない。
「・・・ごめんね、セツナ。姉さんまだ帰れない。・・・だから、いい子にして待っててね」
そう言って、風でなびくセミロングの髪を押さえる。
瞳には強い意志が宿っていた。
すべてを終わらせなければ。
必ず帰る。
あの子のもとへ。
そして、言ってあげるのだ。
あの言葉を。
ただいま、と。
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