複雑・ファジー小説
- Re: 竜装機甲ドラグーン ( No.64 )
- 日時: 2014/04/07 01:51
- 名前: Frill ◆2t0t7TXjQI (ID: N5cCc.Zx)
リヴァイアサン艦内。
通路を歩く藍色の髪の少女ミカエラ。
その先から三人の少女が歩いてくるのが見える。
途端にミカエラの顔が嫌そうなものに変わった。
「おや?ミカエラじゃないか。暫く姿を見ていなかったが、どうしたんだい?」
三人の内のひとり、眼鏡をかけた菫色のショートボブの少女がフレームを上げて、おどけた調子で声を掛ける。
「オレ、噂で聞いたぜ〜。バハムートの竜機使いに派手にやられたんだってな〜」
亜麻色髪の外ハネの少女が意地悪そうにミカエラを覗き込むように言う。
「ディラ、アシェル。悪く言ってはいけません。彼女は彼女なりに頑張っているのですから。例えそれが結果を伴わなくても」
そう言って白群のウェーブロングの髪を撫でる少女。
ミカエラは唇を咬む。
「セレス・・・!」
睨み合う少女たち。
「Heeeeeeey!!通路のCenterでTalkしないでくだサイ!!」
「邪魔だよ。頭撃ち抜くよ?」
後ろから現れたスフィーダとリヴァネが三人の少女たちに文句を言う。
「・・・申し訳ありません。行きましょう。それでは失礼」
三人の少女は薄く笑みを浮かべて去る。
「ミカエラ、せいぜい頑張って。お払い箱にならないように・・・」
セレスは去り際、ミカエラの横を通り過ぎる時に小さく呟いた。
「!!」
少女たちが去った通路でワナワナと拳を握りしめ、去った方角を無言で睨むミカエラ。
「Hey、ミカエラ。奴らの言う事、気にする必要ありまセン」
「アイツら最近調子に乗ってるね。シメとく?」
ふたりがフォローする。
通路に響く鈍い打撃音。
壁にめり込む拳。
「セレス、いずれ思い知らせてやる・・・!」
そして拳を引き抜き、その手を見て呟く。
「・・・必ず、借りを返す。セツナ・アオイ・・・!!」
ミカエラの瞳に暗い光がユラリと燈った。