複雑・ファジー小説

Re: 竜装機甲ドラグーン ( No.91 )
日時: 2014/04/15 00:15
名前: Frill ◆2t0t7TXjQI (ID: uWyu1tga)


 黄金の輝きを放つマリアが暴れるヒュドラを見据える。

 瞬時にそのコックピットに転移する。

 「ヒュドラ、すぐに楽にしてあげるから。あなたの中のナノマシンはあたしが浄化してあげる。ハアアアアッ!!!」
 
 するとヒュドラの動きが抵抗するように途端に鈍くなる。

 「異物浄化率87%、エネルギー出力90%、駆動回路動作良好!!ヒュドラ、アームドパーツをパージ!!!」

 マリアの言葉にヒュドラが反応し、全身の外装を解放する。

 巨躯の鎧を脱ぎ捨て、黄金のドラグーンが全貌を現す。

 画像が荒れるラークを模したデータ体が叫ぶ。

 「ハイドラッ!!!ダガまダ不完全解体破壊構築再構破壊ハカイっ!!!!」

 ドッグ内最奥の隔壁が開き、中から複雑な機械の骨格がせり出す。

 同時に様々な建造機材が一斉に稼働し瞬く間にパーツを取り付けると巨大な外骨格の躯体を持つドラグーンが製造された。
 
 それはヒュドラに似た白い機体のどこか無機質な外観だった。

 「破壊ハカイH杯K俳諧ハカイいあ赤破壊亜墓愛はハカイッ!!!!」

 ラークの狂気に呼応して双眸を光らせ、起動するドラグーン。巨腕を振るい、防壁を破壊しながら突き進んでくる。

 「ハイドラ!!此処から出るよ!!!」

 ハイドラが上空に手をかざすと、発生した凄まじい衝撃波がドーム状の天井の隔壁を突き破り、大穴を開ける。

 その穴から飛び立つハイドラとそれを追い掛けてスラスターを噴き上げ、上昇する巨白のドラグーン。















 巨大施設上空。

 穿たれた大穴から黄金のドラグーンが飛翔し、その後に巨白のドラグーンが追いかけて現れる。


 「お父さんを騙るなんて許さない、けどそれ以上にあたしの仲間を傷つけたことは絶対に許さない!!!」

 ハイドラの機体を旋回して手をかざし、迫る巨体の竜機に特大の衝撃波を放つ。

 だが、巨白のドラグーンはそれを避けようともせず巨体を身構えると、肩部と胸部の装甲が展開し、パラボラアンテナが露出する。

 瞬間、衝撃波が全体を覆うが空間がひずみ、捻じ曲がって波動の波を掻き消してしまった。

 「なっ!? ハイドラのサイキネスウェーブが無効化された!?だったら、何度でも!!!」

 マリアが驚き、確かめるように何度も波動を放つが、その度に尽く無効化されてしまう。

 「ハはハハッ!マリアよ、そノ機体は私ガ設計したのダ。構造はスベテ把握シテいルゾ」

 巨白のドラグーンからラークの声が木霊する。

 「やめろっ!機械がお父さんの声で喋るな!!お前が造ったんじゃない、あたしたちのお父さんが造ったんだ!!!」

 ハイドラが手をかかげると、どこからかパージされたヒュドラの装甲が幾つも出現する。

 それらが組み合わさり、超巨大なバズーカ型の銃砲に変形すると肩に担ぐハイドラ。

 「アトミック・インパクトブリンガー!!!!!!」

 構えた巨大銃砲から無数のロケット、ミサイルが撃ち放たれ空を埋め尽くす。

 そして大爆発と衝撃が覆い包む。