複雑・ファジー小説

Re: 竜装機甲ドラグーン ( No.94 )
日時: 2014/04/15 16:18
名前: Frill ◆2t0t7TXjQI (ID: rWLc9jDy)



 
 眩い光が覆うとともに静止した時間が動き出す。






 「ガああ亜嗚呼アあ!!?名ンだああ!?デで出Dデータに何かが蛾がGA侵入ウウウう!!!!制御不能ウう雨迂ウUうッ!!!!!」

 ヒィドゥンが突然意味不明の言葉を上げ、がむしゃらに暴れ出す。


 それと同時に束縛されていたドラグーンの機体とパイロットの身体が自在に動くようになったマリア、セツナ、エリーゼル。


 「!? 動きましたわ!!」

 「!! これは・・・!?」

 「ふたりとも!!今なら攻撃が届くよ!!!」

 マリアの言葉と同時に二機が即座にヒィドゥンに攻撃する。



 「狙い撃ちますわ!!!」

 ペンドラゴンのビームライフルが連続で機体を撃ち抜く。



 「せやああああっ!!!」

 ワイバーンD.Rが蒼刃を携え斬り込み、巨躯の四肢と胴体を両断する。

 




 ハイドラが腕を大きくかかげ、全出力を集中させる。

 金色の光が機体を覆い、膨大なエネルギーが集束される。


 「・・・この一撃にすべてを込める」


 父、母、妹、託された想いを。

 マリアがハイドラの両手を重ね合わせるように添え、眼前にかざす。








 「ドラゴンノヴァー・レイ!!!!!!」









 溢れ出る黄金の閃光。







 ヒィドゥンの分断された機体を呑み込む。







 金色に照らす光の柱はそのまま大地の研究施設所をも貫き、すべてを消し去った。
























 穿たれた大地。





 
 空中で佇む黄金のドラグーン。






 痕跡すら残さず、消失した施設跡を見下ろす。






 コックピットで黄金色の瞳を僅かに滲ませるマリア。







 「・・・ありがとう、お父さん、お母さん。それと、さようなら・・・」









 荒廃した街並みに、地平線から沈みゆく夕陽が照らす。



 黄金の竜機の影を包み、眩しく輝かせる。





 それは幻想の風景を切り取ったような世界を体現していた。