複雑・ファジー小説

Re: 竜装機甲ドラグーン ( No.96 )
日時: 2014/04/17 14:36
名前: Frill ◆2t0t7TXjQI (ID: J8OhyeKI)

 Act.10 堕ちた龍蛇 這いずる、闇の底 


 海上に浮上して停泊する巨大潜水艦リヴァイアサン。

 その上空に三機のドラグーンが囲むように、一機のドラグーンと対峙している。

 それを遠巻きに見守る二機のドラグーン。



 
 「・・・まさか私たちがテスト実験に付き合わされるとは」

 眼鏡の菫色ショートボブの少女ディラが海青色のサメを思わせる鋭い鋭角的なドラグーン、ラハブのコックピットで不機嫌そうにフレームをかけ直し、言う。
 
 
 「野郎、調子に乗りやがって・・・!オレがぶっ潰してやる!!」

 亜麻色の外ハネ髪の少女アシェルが牙を剥き、蘇芳色の武骨な体躯でバッファローのような巨角を持つドラグーン、ビヒモスを駆り、吠える。


 「アラスカで回収されたというオリジナル。今まで世界で確認されたものは『アスディーグ』『キュノプロソビ』『サファト』。あなたのドラグーンに宿る『ロタン』がいかほどの力か・・・。いい機会ですね、確かめさせてもらいます」

 白群のロングウェーブの少女セレスが白金の流麗なドラグーン、リンドブルムに乗り、冷静に語る。


 三体の竜機に囲まれた藍色の外装に歪な赤い装甲板の異様なドラグーン、ティアマト・アプスー。

 パイロットの少女ミカエラは真っ暗なコックピット内で藍色の髪にかくれて表情は窺えない。

 「・・・能書きはいい。来い・・・」

 抑揚の無い声でボソリと呟く。

 


 「・・・Oh、ミカエラ。最近おかしいデスネ、しばらく顔を見ませんデシタ・・・。Why?」

 翡翠のドラグーン、ケツァルカトルに乗るスフィーダが心配そうにする。

 「この前リヴァイアサンに運び込まれた竜種の化石みたいな奴が原因だと思う。あれをティアマトに組み込んでからだよ、変になったの」

 迷彩のドラグーン、ユルングに乗るリヴァネが不審げにする。




 

 二体のドラグーン、ラハブとビヒモスがティアマトを挟み込むように旋回する。

 「その醜悪な機体、食い千切ってあげますよ。シャークバッシャー!!!」

 ディラが宣言するとラハブの両腕部が大きく開き、鋭い牙の並ぶ口型の武器になる。


 「てめえのドラグーン、全部バラバラに解体してやるぜ!!ヘビーズアックス!!!」

 アシェルが叫び言い、ビヒモスの両手に持つ根棒を振るい、二対の巨大な両刃戦斧を展開させる。




 二機のドラグーンが武器を構え、ティアマト・アプスーに襲い掛かる。





 ティアマトのコックピットの暗闇の中、藍色髪の少女ミカエラの双眸が不気味な光りを放った。