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複雑・ファジー小説
- Re: 『竜装機甲ドラグーン』 テラバーストディザイア ( No.42 )
- 日時: 2017/01/30 20:10
- 名前: Frill ◆2t0t7TXjQI (ID: VHEhwa99)
Act・13 残影、残光
「なりませんっ! 陛下っ!!」
白銀の甲冑に身を包む美麗な銀髪の騎士の女性が声高く叫ぶ。
「・・・余、自らが先陣を切らんで何とする。民、臣下、数多の者たちに危機が訪れようとしている今こそ余が『王』として道を指し示さねばなるまい」
対するように透き通る少女の声が返る。
まだ幼さが残っていたがそれは凛と有無を言わさない威厳が込められていた。
蒼みがかった美しい長い黒髪が朝日の燐光に照らされ、そよぐ風になびき流れる。
蒼銀の鎧を纏う少女は日が昇る峰の先を見つめる。
あの山脈、大陸の向こう側。
すでにそこは『奴ら』の領域だ。
「・・・陛下・・・しかし・・・」
苦し気に俯く銀髪の女性。
「ガラハッドよ。王とは在るものではない。在らねばならぬのだ」
ゆっくりと腰に差した騎士剣を抜く少女。
たなびく蒼黒のマント。
抜かれた剣は高く翳され、陽光を浴び金色に輝きを増す。
まるで誓いを立てるように。
「余は・・・私は・・・必ず————」
「!!!!」
我に返るシエル。
そこはアンフィスバエナのコクピット。
攻撃の余波により渦巻く砂塵。
中心に飛翔する蒼黒の竜機。
ドクドクと鼓動が早鐘を打つ。
「今のは・・・」
明確なビジョンを垣間見た。
はっきりと見えた、あれは中世の世界のようだ。
そして対峙していた二人の騎士。
一人は銀髪の女性騎士。
それともう一人。
あの声、あの姿。
あれは・・・
その時コクピットのモニターに奇妙な物体がスキャンされ映し出されたた。
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