複雑・ファジー小説
- Re: Heaven or Hell? ( No.15 )
- 日時: 2014/04/11 10:20
- 名前: 翔 (ID: /IDVKD3r)
俺が目を覚ますと、まだ千里は眠っていた。
現在俺たちの目の前にはソファーとテーブルがあり、先程の不気味な男女が楽しそうに話している。
………いいや?2人の間に小柄な男がいる。
いかにも気弱な雰囲気を醸し出している。
案の定不気味な男女に質問攻めされて困惑した様子だ。
俺は嫌悪感に襲われながら体を起こす。
一瞬ビリビリと体に電撃が走ったような気がしたが気にしないでおこう。
そんなことよりどんどん人数が増えている。
人間嫌いの俺にはとてつもなくキツい現状だ。
そんなの表情には絶対出さないのだが。
まず頭の中で整理をする為に、辺りを見回し、観察する。
ここはどうやら館のようだ。
イメージはモナコ公国に近いかもしれない。
パッと見は綺麗なシャンデリアや絨毯がある高価そうな空間なのだが…
所々に笑っている鬼の飾りがついているのが何とも不気味だ。
鬼の額にはそれぞれ数字が書いてある。
全部で1から12まで。
しかし、鬼の飾りは何度数え直してみても13だった。
1つだけ何も書いてないのだ。
それが何の意味を表しているのか全く想像がつかない。
すると最初の女が俺に手招きをしながら話しかけてくる。
「そこの女も起きたようだし、坊やもおいで♪私のと・な・り・に♪」
その言葉に反応し、隣を見ると千里が「いたた…」と頭を抱えながら起き上がろうとしている所だった。
まだフラフラしている千里と共に人の集団の所へ向かう。
え?どこに行ったか?その女の隣に行く訳ないだろ。
俺がそこまで阿呆だと思うか?
当然の如く、そいつから1番遠い位置に座った。
「生意気な坊やね、そのお陰で気兼ねなく殺せるわ…ありがと。」
と舌打ちと共に女が囁いていたことなんて知らない。
だって1番遠い距離なのだから。
不気味な男の方がニヤニヤしながらこの重々しい空気など無視して呑気に話始める。
それが尚更恐怖を倍増させた気がした。
「さぁー、自己紹介、始めちゃおっか♪ねぇねぇ、そこの女の子僕の隣来てよぉ…あ、膝の上でも良いよっ?」
話の内容まで空気読まずなのか…
同性である俺はドン引きというか何というか…
馬鹿なんだなぁと本気で思っていたし、引いていた。
千里は涙目になりながら必死に首を横に振る。
そして俺の腕にしがみついていた。
ま…今回は許してやるか。
いつもニコニコしている千里がこんなに震えているのだ。
「ちぇぇーつまんないのー…ま、いいや」
その言葉に被さるようにどこからかアナウンスが聞こえる。
【人生に不満がある諸君、Heaven or Hellへようこそ。今から会場へ移動してもらう説明や紹介は全てそこで行う。直ちにドアに時計がついている部屋へ移動しろ。】
ここ広いんだからどこの部屋だか説明してほしいものだ…
相変わらずの上から目線と嫌味ったらしい口調はもう気にしない。そんな余裕はもうない。
部屋は案外簡単に見つかってしまった。
何故なら突然目の前に現れたからだ。
………部屋が動いたのか俺たちが動いたのかは分からない。
とにかく一瞬で辿り着く事が出来たのだ。
どうやらこれから過酷なサバイバルゲームが始まるらしい……