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　ーーー激闘の末、勇者の手により魔王は討たれた。
　この決着を一体何千人の、何万人の人間が待ち望んでいただろう。
　そして、一体何千人の、何万人の戦士達が命を落とし、何十人の勇者が犠牲になったのだろう。
　人々は喜ぶことよりも先に、彼らの死を哀しみ、英霊となった彼らに感謝し、多くの人々が言葉を贈った。

「世界はもう大丈夫。けど、何があるか分からない。だからどうか、見守っていてください」
「今度は私達が世界を守る番だから」


　それからのことだ。長きに渡る人間と魔族との戦いに終止符が打たれ、硬直していた世界の歯車が再び動き始めた。
　魔王、及び魔族という人間達の共通の敵に対し、一度手を取り合い、協力し、戦った彼らは一つに。統一されようとしていた。


　二十年後、その日が来るまでは。