複雑・ファジー小説
- Re: シークレットガーデン シリーズ まとめ ( No.17 )
- 日時: 2014/09/30 12:39
- 名前: 姫凛 (ID: /uGlMfie)
スピンオフ作品 №1
『少女の夢』
これはまだルシアとランファが衝撃的な出会いを果たし、病に伏せた最愛の妹 ヨナを取り戻す、永い永い旅に出たばかりの頃のお話−
取り敢えずの達も目的地である、隣町へ向かう道中
人の手が入っておらずそのまの自然の姿が残る名もなき森
実り豊かで小さな木の実が沢山実っている。それを狙う、小鳥や小動物たちが主に暮らしている
「ウーー疲れたーー!」
旅に出てからまだ30分も立っていないのに、ランファは「疲れた疲れた」と駄々をこね始めた
迫真の演技でいかに自分は疲労困ぱいなのかをアピールしている。それはもうこれ見よがしに……
「はぁ…、ランファ。わがまま言ってないで少しは頑張ってよ…」
「イヤだァーーー!疲れたァァ」
ルシアは呆れつつもランファをなだめるが、ランファはヘナッと地面に座り込みまるで、オモチャをねだる子供のように暴れ出し手の付けようがない
「あーもう、わかったよ!」
「おっ?」
「……少しだけだよ?」
「ワーーーーイ!ヤッスめる〜〜」
ランファは「さっきまでの疲れは何処へ?」と言いたくなるくらいに、大はしゃぎで騒いでいる
ルシアも「ハァ…」と大きなため息をついた後、ゆっくり腰を下ろし大きな樹にもたれた
木々の隙間から淡い日の光が差し込み心地の良い温かさが、眠気を誘う
やがて瞼が重くなっていき。ウトウトとしはじめ、心地の良い睡魔に身を任せルシアは深い眠りについた
・
・
・
(-ルシアside-)
………!
ん
………ッ!
んぅ
………!!
誰か…の…声…
…起き…て……
だ…れ
……起き…な…
んんー…あと…もう少しだけ…
「起きなさいっ!!ルーシィ!」
「わぁ!!?」
誰かに叩き起こされた。うぅ、頭がジンジンとする…痛い
「あんた、まぁたこんな時間まで寝やがって」
ジンジンと痛い頭をさすり、まだ上手く回転できない脳をフル回転させて意識をはっきりとさせる
あれ…?僕は…ここは…?
「ちょっと聞いてんのかいっ!?」
「あ……うん」
どうしてだろう…頭がすごくぼんやりとする。うまく働かない。
目の前には黒猫のワッペンが付いたエプロンをつけたふくよかな体系のおばさんが、鬼のような表情で僕の事を見ている。たぶんこの人が僕を叩き起こしたんだと…思う
えっと……この人は誰だったけ…?
「あの…どちら様ですか?」
『ゴチーーーンッ!!』
「イッテェェェ!!!」
丁寧に聞いたのに、何故か何故かグーで殴られた。すごく痛い。でもおかげで、ジンジンと痛む頭痛は収まった…と言うよりは殴られた方がもっと痛いから、そんな些細な痛み忘れたんだと思う
「アンタ!なんてこと言うんだい。まさか、寝ぼけて親の顔も忘れちまったっていうのかい?」
親…?僕の母さん…?
【違う…なにか違和感が…】
………
「ん、どうなんだいルーシィ」
ルーシィ…僕の名前?
【違う…僕は…】
……
あぁ、そうだ!
僕の名前は、ルーシィ=フォルテ
アークランド大陸で最大の大国 バーロック王国住んでいて、母さんは国一番のパン職人、イーズ
- Re: シークレットガーデン シリーズ まとめ ( No.18 )
- 日時: 2014/09/30 13:49
- 名前: 姫凛 (ID: .OVIgGEm)
どうしてそんな当たり前の事を忘れていたんだろう…
疲れてるのかな?
「なんだい、またポケ〜として」
「えっ?あっいや、なんでもないよ、うんっ」
「……」
母さんは、呆れた顔をした後「はぁー」と大きなため息をついた
あはは…は、母さんにはいつも苦労かけてるよなぁ
「ほらっ起きたんだったらさっさと、シャッキとしな!今日も仕事がたんまりとあるよっ」
「はいっ!!」
ベットから飛び起き、慌ててパジャマから服に着替える
母さんが言ってる事後ってのは、パン配達の事だ
僕の家には、父さんがいないから母さんと二人協力しほそぼそと暮らしているんだ
パンを作るのは母さんの役目。作ったパンを町のみんなに配るのが僕の役目。
まぁ、主にご近所さんや子供たちに配るだけなんだけどね
「ほい。これが今日の分だよ」
「わぁぁぁ」
籠の中には出来立てほかほかの美味しそうなパンが沢山入ってる
チョココロネ、メロンパン、アンパン、フランスパン、カレーパン、ヤキゾバパン、などなどメジャーかつうちの人気商品ばかり
「つまみ食いしたら馬目だかんね」
「わ、わかってるよ」
ゴクリと唾を飲み込む
うぅ。こんなにも美味しそうなのに…食べられないなんて…。今なら、大好物を目の前に「まて」と言われおわずけにされた犬の気持ちがわかるよ。とほほ…
「いってきまーーす」
行き良いよく店を出て行った。さぁ、ここから僕の一日が始まるぞ!
と息込んだ最初の一歩までは良かったんだけどね…
『ザッ』
「…ハッ?」
今一瞬、目の前を黒い影が横切って行ったような…
「あぁーーー!!?」
パンが!母さんが朝早起きして作ったパンがないっ!?
落とさないように大事に大事に持っていたはずの籠ごとパンが消え去っていた
「ええっ!?なんでっ!なんでだっ?」と辺りをくまなく探してみたけど見つからない。少し諦めモードに入りそうになった、その時。天空から誰かの高笑い声が
「オーホホホホーーーホッ、ゲホッゲホッ、うっ、ツバが喉に詰まった、オェ」
「………」
悲しくなるような登場の仕方をしているのは、僕の幼馴染 ランファ=イール。白銀色の綺麗な髪色が特徴的な女の子だ
「う、うわぁ!カラスーなにすんだぁーー!!きゃぁ」
屋根の上で阿呆な事してるから、通りすがったカラスに悪戯されてる。あーあ、カラスについばまれて屋根から落っこちちゃった…
「クゥ〜〜〜〜」
痛そうな顔をして腰を押さえてる。お尻から落ちちゃったもんね…それは痛いよね。お尻の骨折れてないかな?
「だ、大丈夫?」
「大丈夫なわけあるかァー!」
怒られた
心配してあげたのに何故か逆ギレされた
「とゆうか、怒りたいのは僕の方だよ。配達用のパン盗んで…ほら、返してよ」
「ンゥ〜〜、せっかく面白くしてあげようとおもったのにィ〜〜」
不満げにむすっとした顔で籠を返してくれた
はぁ…。実はランファとのこんなやり取りは僕の日課の1つでもあったり…なかったり
ちょっと、迷惑だと思った事もあるけどでも、こんな可愛い子に構ってもらえるだなんて、みんなに自慢したくなるくらいに嬉しい事だよ。ま、中身が幼稚すぎるのが悪いのがすごく残念だけどね……