複雑・ファジー小説
- Re: 銃声と道化師 ( No.2 )
- 日時: 2014/04/13 18:15
- 名前: ワッフル ◆uigiXIaCSo (ID: gOBbXtG8)
- 参照: 更新速度は速くても週一になりそうです。
この辺りは海も近ければ、川も近いし山も近い。私は早速、奏ちゃんと釣りを楽しんでいた。
でも私は川で釣りをしてる。力のある奏ちゃんは、海で釣りをするといって行っちゃった。
本当は私もついていきたかったけど、体力も何もない私に磯での釣りは危ないと奏ちゃんに同行を拒否された。
断られちゃ仕方ない。私は大人しく、早めに帰るとの約束を交わして鮎でも釣ることにした。
淡水魚は海水魚と違って、生で食べると危ない。
それに食べれるのもと食べれないもの、美味しいものと美味しくないものという差も激しい。
そのことを奏ちゃんから聞いた私だったけど、私はあまり釣りを嗜まないから全然わかんない。
とりあえず、釣ったの全部持って帰ることに決めた。
でも釣れたのは、鮎が4匹と鯉が1匹だけ。
それくらいの量が釣れた時には、もう月が昇り始めていた。
仕方ないので、もう帰ることにした。ここで完全に暗くなってから帰っては、ましてや迷っては奏ちゃんに怒られちゃう。
それだけは避けたい。その思いで私は帰ってきたのだけど——
「ちょっと遅いんじゃない?」
「う、ご、ごめん奏ちゃん……」
結局歩くのが遅かったらしい私は、釣った諸々の魚を水槽に入れて早速奏ちゃんに怒られていた。
早めに帰ってくると約束したのに、破っちゃったよ。
「……んじゃー、約束守れなかった悪い子にはお仕置きが要るな」
「きゃっ! ちょ、奏ちゃん!?」
私はいきなり奏ちゃんに、フローリング製の床に押し倒された。
そして強引に、私の唇へ彼が自分のそれを押し当ててくる。
「んっ……んぅ!」
「あはは、怜奈可愛いっ」
少しだけ舌を使ったキスを終える。
力でも技でも、この態勢になった私が奏ちゃんから抜け出せることはない。
というより、身動きもあまり取れない。
それを分かっていながら、奏ちゃんは色々といじめてくる。
「俺とこういうこと出来ないかなー……なんて期待してたろ?」
「うっ……そ、それは……」
「ほら、反論できないじゃんか」
「ちょ、ちょっと!」
抵抗するけど動けない。言いたいことがあるのにキスで口を封じられて言えない。
そんなこんなで、やっと唇を離してくれたときの私は酸素不足で息を切らせていた。
でも休ませてくれるわけでもなく、彼の手が私の貧相な胸に手を伸ばす。これ以上はまずい。
「ちょっと! 話聞いてよ馬鹿!」
「えっ……」
遂に私は怒鳴ってしまい、それはまずいと思った拍子の本能だった。
本当は怒鳴りたくなかったんだけど、このままだと確実にエッチへ発展しそうだったから怒鳴った。
私はまだ処女。初めての時はもっと素敵な気分の時にしたいに決まってる。
「ねぇ、私まだ処女なのっ。初めてはもっと大事にしたいから、こんな流れでやるのやめてよ」
「ご、ごめん……」
「わ、分かればいいけど……」
怒鳴っていいたい事言った瞬間、奏ちゃんは表情を曇らせた。
もしかしたら、私としたかったのかもしれない。
そう思うと何故か、こみ上げる罪悪感と切なさで胸が痛くなった。
場の空気が悪くなる。どうしよう。