複雑・ファジー小説
- Re: 奇想天外!プロレス物語 ( No.21 )
- 日時: 2014/04/27 16:26
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
ついに始まった本戦。ここからは団体戦の勝ち抜き式となる。
俺たちの対戦相手は『ジ=アニマルズ』。
その名の通り、メンバー全員が動物の覆面をしたメルヘンチックな集団だ。
だが、覆面はメルヘンでも体つきは目茶苦茶ゴツイ。
その顔と体のギャップに俺は少し引いていた。
第1試合は王李対シカ。
カーン!
試合開始のゴングが鳴る。
「シカシカシカシカシカシカシカ!子どもだからって容赦はしないぜ!」
奇怪な笑い声を上げつつ、シカが王李目掛けてタックルを仕掛ける。
「そんな攻撃あたりませんよ」
ひょいっと跳び箱のようにシカのタックルを飛び越えて避ける王李。
「少しはやるようだな。だが、スピードだけじゃ俺は倒せん!」
すると驚いたことに、シカの左右の額から強力な枝分かれした角が生えてきた。
「食らえーッ!『クリスマスタックル』ーッ!」
「ぐあああああああっ!!」
シカの強力なタックルをまともに受け、きりもみ回転をしながら、吹き飛ぶ王李。そのまま落下し、マットに突き刺さる。
だが王李は素早く立ち上がり、ドロップキックをお見舞いする。
「ハッ、そんな攻撃俺の前には無傷だ!」
シカは筋肉を膨張させ、王李のキックを弾き返すと、再度クリスマスタックルを敢行。
「今度は完璧に仕留めてやるぜ!!」
1発、2発、3発、4発・・・・
落下してくる王李に立て続けに技を放つシカ。王李の服は破れ、皮膚からは血が噴出し、無残な有様となっている。
だが、シカは動きをとめようとしない。
「まだまだこれぐらいでギブアップとかされちゃ困るぜーッ!」
「やめろ!王李はもう動ける状態じゃねぇ!これ以上やってなんの意味があるんだ!!」
俺はシカに怒鳴るが、奴は非情にもこう返した。
「意味はあるぜ。お前らが恐怖で二度と俺たちと戦う気が起きず、棄権するって意味がなーッ!そろそろサイコーの必殺技を繰り出し、地獄へ送ってやるとするか、カンフー坊や!!」
クリスマスタックルで王李を空中に舞い上がらせ、それを追いかけ、腰を掴み、ジャーマンの体勢を取る。
「これぞ俺の必殺技『ターキークラッシュ』!!」
王李はリングに串刺しになった後、ゆっくりと仰向けに倒れた。
完全に失神し、立ち上がれる状態ではない。
『王李の失神KO負け。勝者シカ!』
判定が決まり、王李は担架で病院へと運び込まれた。