複雑・ファジー小説
- Re: 奇想天外!プロレス物語 ( No.29 )
- 日時: 2014/04/29 16:48
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
翌日、病院へお見舞いに行こうとする途中、ひとりの男が立ちはだかった。
「久しぶりだな、スターレスリングジムの会員よ」
青白い顔、目の下にできたクマ、そして右目のスコープ。
「ま、まさか・・・・てめえは・・・・」
ロディさんが驚きの声をあげると、男は満足げにニヤリと笑う。
「驚いたか?俺の姿を見て驚かない奴はいないよな、少なくとも、この中では」
「誰だ?」
男は少しズッコける。
「やはりお前は相変わらず単細胞だな。そっちの軍人は俺のことを覚えているよな。覚えていなかったら、話が続かないから、覚えていてくれると話の展開的に助かるのだが」
「忘れるわけなかろう。目黒怨」
「ご名答」
目黒は腰から小型銃を引き抜き発砲する。
「ぐはあ!」
目黒の銃撃を受け倒れこむ、ロディさん。
「おのれ、よくもロディを」
「悪いな。これが俺の性分だ」
奴はカーネルさんをネッハンギングツリーで吊り上げると、そのまま放り投げた。
カーネルさんは近くの木に激突、そのまま気を失ってしまった。
「これで2人病院送りだ。準決勝、楽しみにしてるぜ。あばよ」
キザな台詞を残し、立ち去ろうとする目黒を俺は止めた。
「待て!どういう意味だてめえ!」
「2回戦のお前たちの対戦相手は、俺が全員病院送りにした。したがってお前たちはベスト4進出だ。ああ、このことを星野に報告しておけ、奴の悔しそうな顔がみたいからな・・・・」
それだけ言うと目黒は去っていった。
「目黒怨・・・・とんでもない奴が参加していたものだな」
「カイザーさんはあの野郎のことを知っているのかよ?」
「・・・星野にとっては宿敵ともいえる存在だよ。殺し屋だ」
殺し屋!?戦ったらヤバくないか。
「今の実力を見ただろう。軽くいなした程度でも我々が手を焼くほどの強さだ。本気を出したらどうなるかわからん」
「カイザーさん、井吹くん。準決勝、最悪中の最悪の対戦相手が敵のキャプテンですよ」
ヨハネスが少し青ざめた顔でタブレッドを操りながら口を開く。
そして、そのキャプテンの顔を見せる。
「こ、この顔は・・・・・!?」
「・・・・・ジャドウか」
画面に映っていたのは失踪中だったジャドウ。
「彼が準決勝、僕たちの対戦相手のキャプテンです」