複雑・ファジー小説
- Re: 奇想天外!プロレス物語 ( No.37 )
- 日時: 2014/05/01 11:13
- 名前: モンブラン博士 (ID: CMSJHimU)
「ニャハニャハ!これでカイザーのKO負けは決定ですね」
シーさんは満足げに笑い始めますが、僕もそんな彼の姿につられて思わず、笑ってしまいました。
その様子をいかにも不思議だといわんばかりの顔で眺めるシーさん。
「おや?私はともかく、カイザーの味方であるあなたが笑うとはまた不自然なお話ですね。仲間が痛めつけられて笑っていられるとは、あなたはよほどカイザーに負けはないと確信しているのですか」
「そうです。カイザーさんはそう簡単にやられるような人ではありませんし、僕たちだってそうたやすく負けはしません」
「なるほど。その言葉を聞く限り、あなたたちはよほど体力に自信がありそうですね」
僕は微笑み彼にうなずく。
「ところで、ヨハネス。私は以前からずっと気になっていたことがあります」
「僕の性別ですか?」
「いえ・・・確かにそれはそれで興味をそそられますが、私が気になっているのはもっと大切なことです。下手をするとこの物語全体を揺るがしかねないひとつの大きな謎ですよ」
「何が気になるのですか」
すると彼はまた例の不気味な笑い声を上げた後、
「あなたたちの異常なまでの強さです」
彼は少し間を置いて、僕に語りかけた。
「あなたたちは少年少女でありながら、我々一流プロレスラーに軽々と勝っている。この現状、おかしいと思いませんか?」
「あなたには不思議に思うかもしれませんが、必死で努力をすればこれぐらい可能ではないはずです」
「そういう見方もできますが、仮にそうだったとしても、あなた方はあまりにも人間離れしている。その存在はさながら奇跡と言っても過言ではないでしょう」
「何が言いたいのですか」
「あなた方は、人間ではありませんね。いえ、正確に言いますと、元人間というべきでしょうか?」
「・・・・・・・・」
「気になりますねぇ。その異常なまでの身体能力はどこからくるのか?その力はどうすれば発動できるのか?
読者のみなさんのためにも、この試合でその謎を解き明かしてごらんにいれましょう。ニャハニャハ!」