複雑・ファジー小説

Re: 汝等、彼誰時に何を見るや。 ( No.1 )
日時: 2014/05/06 02:47
名前: SHAKUSYA ◆fnwGhcGHos (ID: c3/sZffZ)

【語り部の紹介】

一.榎本 敬一(えのもと けいいち)
語りの中の「私」。二十六歳、男性。舞台となる旧家の家主である。
古書肆『千刻堂』に店員として勤めているが、そちらは副業。本業で何やら別のことをやっているらしく、椎木からはその二つ名の方でしばしば呼ばれる。

二.椎木 翔(しいき しょう)
「俺」。十八歳、男性。千刻堂の近くの高校に通っており、本来は三年生であるはずだが、過去に何事かあったらしく留年中。故に現在は高校二年生である。
千刻堂に足しげく通う本の虫。頭も割と良い方だが、性格はあまり理性的とは言えない。話すときは軽薄とも小生意気とも呼べる、中途半端な敬語を使う。

三.菊間 桔梗(きくま ききょう)
「わたくし」。五十三歳、女性。千刻堂の店主たる菊間の妻。
元は「巫蠱」と呼ばれる術を扱う家から菊間家に嫁いできた身であり、しばしば虫に関する怪を眼にする。しかし当人はどうにも天然の気が強いようで、何度も何度も怪を目にしながら「自分は霊感がない」と言って憚らない。

四.萩原 直人(はぎわら なおと)
「僕」。三十歳、男性。千刻堂では帳簿を付けている。
元軍人。演習中の事故で脊椎を痛めており、それ故に足が不自由。あまり運が良くないようで、大抵霊が関連するとろくでもない目に遭っている。しかし、それを百物語で笑い話にしてしまう辺り、肝の据わった人物。

五.杉下 佐京(すぎした さきょう)
「アッシ」。五十五歳、男性。菊間の古い友人だが、何をしているのかはいまいち不明。ちなみに、「相棒」の右京さんとは何の関係もない。
こちらも霊威に関しては不運続きで、何人もの友人を得体の知れないもののために喪っている。それ以外のことは誰も知らず、本人も語らず、菊間も口を閉ざしている。

六.蓮如 美奈(れんじょ みな)
「あたし」。十八歳、女性。椎木と同じ高校生に通う、此方は高校三年生。ただし既に合格通知を貰っており、悠々自適である。
千刻堂に足しげく通う本の虫、その二。こちらは性格も理知的で、綺麗な敬語を使って話す。尚、彼女は天然でも何でもなく、純粋に霊感が薄い。

七.桜庭 賢(さくらば けん)
「オレ」。二十四歳、男性。千刻堂の本の買い付け係であり、売れ残った本をたった一人で収容・管理している。
憑依されやすい体質で、しばしば死霊や生霊に取り付かれてトラブルを起こす。過去にも憑かれて何度かトラブルを起こしており、ほとほと困っている模様。

八.桐峰 千鶴(きりみね ちづる)
「わたし」。二十四歳、女性。桜庭と共に本の買い付けを行うバイヤー。
霊感持ちではないはずだが、不思議と奇怪な出来事にしばしば遭遇する。特に狐や獣に関する怪がよく降りかかる模様。彼女もまた憑かれやすい体質のようだが、真偽は今の所不明。

九.藤堂 薫(とうどう かおる)
「アタシ」。二十六歳、女性。本の修復家。
常人には分からない、「生き物ならざるモノ」の気配を感じることができる特殊感応者。霊感自体も強く、それが人を助けたことも殺したこともあると言う。

十.菊間 礼二(きくま れいじ)
「私」。五十五歳、男性。古書肆・千刻堂の店長であり、全ての元凶。
霊感は強い方ではないが、代わりにとても別の人の霊感に当てられやすく、それ故心霊現象を頻繁に体験している。しかし悪運も強く、萩原のような散々な目に遭わされることは滅多にないとのこと。