複雑・ファジー小説

Re: ライオンさんとぼくのお話 ( No.21 )
日時: 2014/05/14 18:00
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

第17話

次の日。

「和人くん、きみにお願いがある」

「なんでしょうか」

「クッキーを買いに行ってくれないかな」

そんなの、自分で買いに行けばいいじゃないですか。

ライオンさんはその返事にニコニコ。

「確かにそのとおり。でもね、よく考えてごらん」

ライオンさんがぼくに顔を近づけてくる。

「私が買いに行ったらどうなるかな」

ぼくの頭の中で一瞬で式ができた。

買い物に行く→通報される→動物園行き

「さて和人くん。どうする?」

「わかりました!ぼくが買いに行きます!」

「偉いぞ、和人くん。それでこそ男だ!」

うまくいいくるめられた気がする・・・・・。



「うむ。どうしてクッキーはこんなにおいしいのだろうか」

ライオンさんはぼくが買ってきたクッキーをおいしそうに食べ始めた。

それにしてもクッキーを食べるライオンだなんて聞いたことがない。

「私は普通のライオンではないのでね。それと、きみも食べなさい」

ライオンさんは意外にもぼくにクッキーを分けてくれた。

「ありがとうございます」

「お礼いえるとはいい子だね。またきみを見直したよ」

ニコニコと笑うライオンさん。

ぼくも少しだけライオンさんを見直したよ。