複雑・ファジー小説
- Re: ライオンさんとぼくのお話 ( No.22 )
- 日時: 2014/05/14 20:02
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
第18話
ぼくはよくねこみたいな顔だといわれる。
目が大きくて鼻があまり高くないぼくの顔。
目がくりくりして大きいことと鼻があまり高くないことがぼくのコンプレックスだった。
「和人、おまえって猫みたいな顔してるよな」
「どういう意味?」
「おまえって目でかいし、色白だし、鼻低いし、髪の毛だってハネててネコ耳みたいじゃん。
にゃんっていって見ろよ、ホラ!」
「にゃ、にゃん!」
「マジでねこみてぇ。ヒャハハハ!」
「・・・・」
「見ろよこいつ、今にも泣きそうじゃん。ホラ、もっとマネしろよ。よつんばいになってさ」
「にゃん、にゃん、にゃん!」
「「「ははははははは」」」」」
☆
「なるほど・・・それはかわいそうに」
このことをライオンさんに話すと彼は慰めてくれた。
「ネコだなんて、酷いですよ」
「それはちょっといいすぎじゃないかな」
ライオンさんは少し不機嫌そうな声で言った。
どうしてですか?
「考えてみたまえ、ネコ科最強の動物が目の前にいるのにどうしてネコの悪口をいうのだね」
あ・・・・。
ご、ごめんなさい。
「もういいいさ。過ぎたことだから気にしないよ」
☆
パパとママにこのことを話すと意外な返事が返ってきた。
「和人はやっぱりソックリなのだ♪」
「そうねぇ。似ているわねぇ」
えっ?誰に似てるの?
「和人くんなのだん♪」
和人くんってパパが大好きなアニメのキャラクターの和人くんのこと?
ぼくが尋ねるとパパとママは嬉しそうにうなずいた。
「そうなのだ。和人、お願いがあるのだ」
なに、きゅうに・・・
「和人は、サッカー部に入るのだ♪」
ぼくは一瞬頭が真っ白になった気がした。
サ・・・サッカー!?
ぼく、サッカーなんて興味ないし、やりたくないよ。
「和人はパパのお願いを無視するののかなのだ?」
ギロリとパパの目が光った。
怖い。怖すぎる。これはなにがなんでもサッカー部に入れたいという目だ。
そ、そんなぁ。ぼく・・・・
「和人、サッカー部に仮入部してみるだけでいいのよ。1日入っていやならやめたらいいわ」
ママの言葉でぼくは入ろうかなという気になった。