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複雑・ファジー小説
- Re: ライオンさんとぼくのお話 ( No.31 )
- 日時: 2014/05/16 04:51
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
第24話
「和人〜。お昼ごはんできたわよ〜」
そのとき、ママがぼくの部屋にやってきて、声をかけた。
時計を見ると12時になっていた。
「星野くんも一緒にどうかしら?」
「ぼくは・・・」
「きょうはカレーライスなのだん♪」
「カレーライス大好きです!」
そのとき、星野くんの顔がパッと輝いた。
星野くんの今まで見たこともないぐらい輝いた表情。
少女マンガのような大きな目がキラキラ輝いて本当に嬉しそうだ。
「和人、カレーを食べたら、デパートにいこうなのだ。
きょうは戦隊ヒーローショーがあるのだ♪もし、行きたいのなら星野くんも・・・」
「いいんですか!?」
ぱあっと前よりさらに輝く星野くんの笑顔。
この笑顔は今まで見た彼の笑顔の中で一番可愛いかった。
星野くんってひょうひょうとしてて無口で無表情だけど、こんな一面があるんだ・・・・。
☆
ぼくたちはカレーライスを食べたあと、デパートに向かった。
「和人、星野くん、戦隊ヒーローショーが始まるまでまだ時間があるのだ。だから、本屋さん行こうなのだ」
ぼくは行ってもいいけど、星野くんはどうする?
「ぼくもみたい本があったので、行きますよ」
3人並んで歩いているとなんだか本当の家族みたいだ。
星野くんは家族じゃないけど、そんな風に感じられた。
「・・・・ぼくは、和人くんが、うらやましいです」
そのとき、ぽつりと星野くんが寂しげにつぶやいたのを、ぼくは聞いてしまった。
☆
「行くぞ、悪者め、とうっ!」
会場では、ヒーローが縦横無尽に飛び回り次々に悪者をやっつけていく。
「残るはおまえひとりだ!覚悟しろ!」
ところが最後のひとりに苦戦するヒーロー。
と、ここでアナウンスが流れた。
『ヒーローがピンチです。みなさん、声援を送ってください!』
・・・・・。
これは、ぼくも声援を送るべきなのかな?
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