複雑・ファジー小説

Re: ライオンさんとぼくのお話 ( No.33 )
日時: 2014/05/16 21:33
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

第26話

「フハハハハハ。お前の負けだ。諦めろ」

「そうはいかん!私はこの美しい地球のために負けるわけにはいかない!でやぁ!」

「ぐあああああああっ!」

ぼくとライオンさんは今星野くんおすすめの戦隊ヒーローのDVDを見ている。

なんだか変な鳥人間が戦隊の仲間をして一緒に戦っているのはなぜだろうか。

ちなみに星野くんにライオンさんのことを紹介すると、最初は驚いていたようだったけど、すぐに仲良くなれた。テレビを見ながらライオンさんが口を開いた。

「ねえ、星野くん。きみ、何か悩み事とかないかね」

「はい……」

星野くんは淡々とした調子で自分の悩みを話し始めた。それを聞いたライオンさんは、

「きみには私の友人に守ってもらったほうがいいかもしれないな」

「友人?」

ぼくがたずねると、彼はテレビを指さし、「彼」と言った。

その答えに驚いたのが星野くんだ。

「彼とご友人って本当ですか!?」

すると彼は笑って、

「本当だよ。ここに来てもらおう」

その刹那、鳥人間がなんと、テレビから抜け出してきたのだ。

だがテレビから抜け出てきたとたんに彼の姿が変わった。

テレビでは青い始祖鳥の姿をしていたのに、こっちに来たら鷲の姿になっている。

「これが彼の本当の姿さ。普段は俳優としてあの姿で活躍しているんだよ」

「急に呼ばれて現れたのだが、まさかキミだったとは。驚いたよ」

ふたりは軽く話した後ぼくたちに向き直り、

「申し遅れたね。私はトリニティ=バードン。トリさんと呼んでくれたまえ!」

彼はテレビと同じようにパチンと指を鳴らす。

「本物がみられただなんて、ぼく、感激です!」

星野くんは感動のあまり号泣している。

「きょうから私がきみを助けてあげよう!」