複雑・ファジー小説

Re: ライオンさんとぼくのお話 ( No.4 )
日時: 2014/05/14 04:47
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

第4話

おふろから出た後、父さんが言った。

「和人、だっこするのだ」

毎日の抱っこタイムの時間!

父さんはどーして息子に対してだっこを要求するんだろう。

ふつうなら、子どものほうが親に甘えてくるのはわかるけど・・・

これはぼくが5歳のときからずっと考えているけど、未だに分からないことのひとつだ。

「よしよしよし、よしよしよし」

「嬉しいのだ。わっはっはっはっはっはっはっは!」

そしてこの高笑い。

あまりの声の大きさにぼくの鼓膜は破れるんじゃないかと思うぐらいだ。

「はい、おしまい」

「それは残念なのだ。じゃ、パパは牛乳を飲んで寝るのだ。おやすみなのだ」

父さんの就寝時間は9時ぐらいだ。

そして寝る前に牛乳を飲むのは小さい頃からの習慣だそうだ。

余談だけど、とうさんは、背が低い。

小柄なぼくよりも低い。

本人は気にしていないといっているけど本当は気にしているんじゃ・・・

「まだ和人のほうが大きいのだ。でもやがて追い越すのだ」

追い越すって、それは無理だと思うよ、父さん・・・

といいかけてやめた。本人は伸びると思っているのだから、夢を壊すのはあまりいいことではない。

前から思っていたけれど、ぼくたち親子は役割が逆転しているようにしか思えない・・・