複雑・ファジー小説

Re: ライオンさんとぼくのお話 ( No.7 )
日時: 2014/05/13 14:03
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

第7話

「あ、あなたは誰です?」

ぼくは勇気をふりしぼって聞いた。

夢なのだから、きっと安全だ。

すると相手は、ゴホンと偉そうな咳払いをしたあと低い深みのある声で言った。

「ライオンさん」

は?

「聞こえなかったのかな、ぼうや、ライオンさんと言った」

それは見ればわかると思う。

そして彼の話し方は普通の日本語になっていた。

「それが私の名前。それで、君の名前は?」

「ぼくは和人です」

ライオンさんと名乗るこのモンスターはぼくを上から見下ろしながニヤリと笑った。

「和人くんだね?よろしく」

ライオンさんはニコニコと笑いながらぼくに握手を求めてきた

でも顔が顔だけに怖くてたまらなかった。

ぼくはおずおずと相手の手を握った。

「細い!なんという細い腕をしているのだ!まるで木の枝のようだ!」

ぼくはおない年の子に比べて腕が細い、そして体も細くて華奢だ。

ボキボキボキボキボキ!

へっ?

「なっ・・しまっ・・・!?」

ライオンさんのせいでぼくの右手が複雑骨折したみたいだった。