複雑・ファジー小説

Re: ライオンさんとぼくのお話 ( No.8 )
日時: 2014/05/13 18:15
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

第8話

幸いなことにぼくの右手は複雑骨折していなかった。

でもまあ、夢だからだいじょうぶかな。

「きみはそう思っているのかな。だとしたら大きな間違いだ」

へんなことをいうやつだ。

だってこんな生物がこの世に存在するわけが・・・

そう思ったとき、ぼくはハッとした。

ライオンさんの姿は父さんが買ってきたフィギュアにそっくりだったからだ。

「も・・・もしかしてあのフィギュアが・・・・」

「そのとおり」

ライオンさんはこくりとうなずいた。

「私の仮の姿がフィギュア、真の姿はこれなのだ(もっとも巨大化しているが)。うそだと思うのなら、フィギュアのあった場所を見てみなさい」


本当だった。フィギュアがあった場所からフィギュアが消えていた。


「これで私の存在を信じる気になったかな。最近の子というものはどうも目でみないことには信じないらしい。
とくに・・・きみのような子はね」

ライオンさんはぼくを指差した。

「本来ならば夢で現れてもよかったのだが、きみは信じなさそうだからな」

たぶん、このライオンさんの言うことは当たっているとぼくは思った。

「さて、和人くん。ここでクイズをしよう。
なぜ私がきみのもとに現れたか当ててみたまえ」