複雑・ファジー小説

Re: Lost Witch【鋼の意志】 ( No.3 )
日時: 2014/05/19 17:32
名前: Ⅷ ◆O.bUH3mC.E (ID: Z5O3OKTP)


一章【未完成】




2053年
イマジンという存在が当たり前のよう存在し、人々は、それにおびえながら暮らしている。そのイマジンが誕生した歴史は、はるか昔にさかのぼることとなる。
かつて、魔女と呼ばれる存在がいて、人々がその存在をおろそかにし、人々の怠慢と恐怖心から魔女は命を狙われ、それが許せずに魔女は、二つの魔法を、後世にかけて続く魔法を、世界にかけたのだという。
その一つが、イマジンという存在だ。
体に魔法の基礎となる魔力といわれているものを宿していて、その存在を、人のつくりだした兵器で抑えることはできても、消すことまではできない、災厄の存在が生まれた。
そのイマジンは、魔女の怒りの感情から生まれた魔法で、世界を、人を殺す、ただの殺戮者だった。その存在は人々を、人の世を、大いに混乱させる存在となった。
だが、魔女が残した魔法は、一つだけではない、忘れてはならないのが、その二つ目の魔法だ。
そう、その魔法は、魔女の孤独や悲しみ、不幸を、人々に同じような思いをさせるために残した、迫害の魔法———そう、後世に、自身の力の欠片を宿した、魔法使いを、生み出させた。
イマジンと同じように魔力というものを体に宿し、魔法という魔女と同じような力が使える存在を後世に残すことによって、人々は、その魔法使いたちに再び恐怖の目を向けた。
おそらく、魔女の思惑通りに。
イマジンの存在、魔法使いの存在。その魔女の遺産は、世界を、一気に混沌へと陥れるまでに至った。
だが人類は、魔法使いの力が、イマジンに通用するのではないかと、イマジンという存在を、唯一消すことができるのではないかと、そう考えた魔法使いの力は絶大だった。かつての魔女には遠く及ばなかったらしいが、それでも、何もない空間から物質を作り出したり、炎や氷、雷などの自然現象、自然厄災にも及ぶ力を、単体で、生み出すことができ……そして、イマジンを、消すことですら、簡単に行ってしまった。
人類は恐怖した。自らたちでは、イマジンは消すことはできない、だからといって、魔法使いたちにたよるのも危険だと、いつ、世界が滅びるかわからないと、人々は恐怖した。
そこで、魔法使いたちが倒したイマジンのサンプルや、魔法使いたちをねむらせ、その体を研究するために人々は動いたという。
研究中、人々は魔法使いたちに好き放題したという。人類を守る唯一の砦でありながら、自らたちを恐怖に陥れる魔女の力の遺産を宿すその魔法使い。大小さまざまな男女の魔法使いたちを、犯し、傷つけ、殺し、いろんなことをしたという。その結果で分かったこともあったらしいが、あまりにも、残酷極まりなかったという。
魔法というものがどういうもので、どういった仕組みで発動するのかを突き止めるために脳に細工を施したり、イマジンの細胞と魔法使いの細胞を融合させることによっておこる現象、魔法使いは死ぬのか、魔法使いは子を生めるのか、その子供は、親と同じような魔法使いとして生まれるのか。様々なことをやった。様々なむごいことをやったとされている。
そして———その結果、今、今年、今月、今日まで世界が存在し続けるのにもっとも重要な基盤が、2つ作られることとなった。
一つが———魔法使いやイマジンを隔離しておく空間———隔離領域。
隔離領域とは、その名の通り、社会からイマジンや魔法使いを隔離しておく領域のことで、これは全世界につくられているとされている。だが、イマジンと魔法使いが隔離されているところは各々別で、魔法使いは魔法使い、イマジンはイマジンの領域がそれぞれに作られて、人の世から隔離されている。だが、イマジンは自然現象と同じように発生し、そして、魔法使いも、血縁関係もなにもかも関係なしに、ランダムで生まれた子供にその遺産が受け継がれるために、完全に隔離できているわけではなく、むしろ、イマジンはほぼ隔離できていないのと同じではあるが、その隔離領域の存在によって、人々の恐怖は和らいだだろう。……そこで気になるのが、この魔法でしか倒せない存在、イマジンと、強大な魔法を使う、魔法使いをどのようにして隔離しているのか……人の技術でどうしてそんなことができたのか、それが、基盤の二つ目———

魔科学

科学とは違う、非科学的な存在、魔法。その魔法をなんとかして自らたちも扱えるようにならないかと、人々は研究しつくした。その結果、魔力はエネルギーの塊とほぼ同一であるということ、魔法は、そこにアプローチをかけることによって発生する、つまり、部屋の照明は、普段は消えているが、スイッチなどをおすことによって光がともる……といった、そんな単純なことなのだときがついた。