複雑・ファジー小説
- Re: 空を翔ける少年【キャラ募集だぜyeah!】 ( No.5 )
- 日時: 2014/06/03 20:26
- 名前: ブラックホール (ID: gOBbXtG8)
今日は7月28日の真夏日。夏休みに入った俺は、早速空の旅をエンジョイしていた。
ただ、今日は午後に別件がある。そう遠くまで行ってる余裕がない。
だが暇なのには変わりなし。とりあえず東京の方に出向いてみようと思い、俺は名古屋から東京方面へと飛んだ。
「ふぅ」
人気(ひとけ)がない街のマンションの屋上に、俺は足を着けて一息ついた。
時間的には既に東京に到着しているはずなので、恐らくここは都会の近郊にある住宅街だろう。
だが、休んでいる暇はなかったらしい。俺は目の当たりにした光景で、そう悟った。
俺は何やらよく分からん機械の物陰に着地していた。
そんでもって人目が無いかを確認していたんだけどよ、俺は無意識のうちに物陰から飛び出してたんだよ。
何故なら、空中へと身を投げる女の子がいたからだ。
「おい! 何してんだよ!」
俺は叫びながら、気付いていない様子の女の子目掛けて走る。
だが、俺がフェンスの近くまで来たときには、既にその子は落下していた。
しかし諦めてはいけない。咄嗟に俺は女の子を追いかけ、マンションの屋上から飛び降りた。
すると、空中に慣れた俺が思わず驚くほど、落下まで思った以上の高さがあった。
恐らくは20階建てだ。なんて奴だ、こんな場所から飛び降りるなんて。本当に馬鹿としか言いようがない。
だが、これは逆手に取れば落下まで猶予があるということだ。それならば、十分に落ち着いていける。
俺は故意に落下速度を上げ、落ちて行く女の子へと追いついた。
飛んでいく帽子を口でキャッチしながら、その子を抱きかかえる。
同時に徐々に落下速度を落とし、残り数メートルで地面に激突するところで大ジャンプ。
空気を足場にして、あえて屋上まで飛んでいった。人目が無かったのは不幸中の幸いというべきなのかもしれない。
俺は無事に屋上まで戻ることが出来、床に女の子を寝かせた。
流石にこの子の目が覚めるまで抱えておくのはきついからな。
口にくわえていた黄緑色の帽子を被りなおす。
「やれやれだぜ」
思わず独り言が出てしまった。
まあそれはさておき、俺は女の子の目が覚めるのを待つことにした。
ここで俺が去っては、恐らくこの子はまた身投げをするだろうからな。
それにしても、何故気を失っているのだろうか。
差し詰め、睡眠薬でも飲んだのだろう。楽に死ねるようにと。