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複雑・ファジー小説
- Re: マジカルスイーツショップ ( No.19 )
- 日時: 2014/06/07 06:36
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
「美味しい甘い物食べてる時が一番幸せ」
真帆さんはカウンターの席でおいしそうにお菓子を食べています。
あんまり幸せそうな表情で食べてくれるので、ぼくは嬉しくなり、その様子をうっとりと見つめていました。
「えっと、何かご用ですか?」
気が付いてみるとぼくは彼女とだいぶ距離をつめていました。
それに気が付いたぼくは慌てて距離を離し、首をブンブン横に振ります。
話しかけたいのに、声が出せない。
だから動作で示すしかない。
そんな自分がつくづく自分が嫌になってきます。
ぼくが話し出せずにもじもじしていますと、いつの間にかヘンリーさんがそばにいました。
彼はぼくを見て少し微笑んだ後、真帆さんに真剣な面持ちで訊ねました。
「お前さん、何かお悩みとかないかね?」
すると彼女は冷や汗を流し、
「えっと……あたしなら大丈夫です」
ですが、視線は泳ぎ、明らかに何かを隠していることは明白です。
「本当かの。それならいいのじゃが、何か悩みができたときは、いつでもわしに相談なさい。きっと解決できるじゃろうからの」
彼はほっほっほと笑ってその場を立ち去ろうとした、そのときです。
「待ってください!」
彼女は突然立ち上がり、ヘンリーさんを引き止めました。
「お願いです!私を…私を助けてください!」
瞳に涙を浮かべ、必死に懇願する彼女の姿を見たヘンリーさんは、
「ようやく本心が出せたようじゃな。その言葉を待っておったのじゃ」
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