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複雑・ファジー小説
- Re: マジカルスイーツショップ ( No.191 )
- 日時: 2014/06/26 19:00
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
「食らうがいい!『ゲイルソード=ストリーム』!」
奴は体を風車のように回転させ、俺を切り刻もうと接近する。
ここでガードしてしまえば、恐らく腕が切れる。避ければ追撃がくる。
だが、俺の考えを阻むかのように、彼の刃が接近する。
避けるのは、上か?右か、それとも左か?
「下だッ!」
俺は本能でそう判断し、下へかがんだ。
「何いッ!」
奴は俺がかがんだことに対応できず、3本ロープを切断し、場外へ落下した。
これをチャンスとばかりに俺は奴を追いかけリングを降り、場外乱闘へ持ち込んだ。
奴を掴まえ、拳を打つ。奴も負けじと打ち返す。
こんなことがしばらく続き、俺たちの試合はは引き分けに終わった。
正直このまま闘っていても、この強敵に勝つことは難しかっただろう。
下手すると負けていたかもしれない。
だから、この場は引き分けに持ち込めたから、合格点にしよう。
奴は引き分けだったのだが、潔く負けを認め、星へ帰って行った。
キリスに、地球に暮らす人類の素晴らしさを教えてあげることはできなかったのかもしれない。
けれど、地球人も自分とほぼ互角に闘えるということを知って、驚かせることには成功した。
たぶん、奴は今後、地球侵略を企むことはないだろう。
これは闘ったものでしかわからない奇妙な友情と信頼関係だ。
そして俺は、今闘っている奴らに希望を託すことにした。
フロイ、フォルテ、アシュラン、マルコ、ラグ、必ず生きて帰ってこい!
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