複雑・ファジー小説

Re: マジカルスイーツショップ ( No.202 )
日時: 2014/06/28 14:29
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

翌日、俺は東京ドームのリング立っていた。

俺の試合を一目見ようと、観客席は超満員になっている。

「ホーッホッホッホ!随分とお客さんが集まりましたねぇ、不動さん。あなたは超満員の中で犬死にできるのですから、幸せですよ」

「何とでも言うがいい。このクソガキ」

今の俺の心は、まるで雲一つない青空のように晴れ晴れとしていた。

そして、この日は今の俺の心と同じく晴れ渡っていた。

カーン!

試合開始のゴングが鳴る。

「あなたにも味あわせてあげますよ、恐怖と屈辱感をね!」

奴と俺はがっちりと、クロックアップの体勢を取る。

「おや?あなたは確か、6000人力だったんじゃありませんか。だのに今の力はどう見積もっても6万人力ぐらいはありますねぇ」

「当たり前だ。昨日、俺は星野を倒されたのを見て、覚醒したのだ」

俺は素早くクロックアップをはずし、内またで投げ、蹴りつける。

クソガキが苦悶の表情を上げるのを逃さず、ジャンピングエルボーで追撃をかける。

「ホギャッ!」

奴を立ち上がらせ、ローキックを放つ。

「こんなもの、簡単に防げますよ」

奴が膝でガードすることは、想定の範囲内。

ガードが決まる直前、飛び上がり、延髄蹴りを炸裂させ、間髪入れずにフライング=ヘッドシザーズで押し倒す。

「今まで闘った人たちよりも、なかなかやるじゃないですか。見直しましたよ」

奴は俺との距離を置き、不敵な笑みを浮かべたその刹那、奴の全身にヒビが入り始めた。

「この姿ではどうやら、力不足のようですから、本邦初公開してあげますよ、私の真の姿を!」