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この日、ぼくはいつものようにレジ係をしていました。

時刻は４時を回り、そろそろ久しぶりに学校に行ったマーラーくんが帰ってくる時刻です。

それから数分後、彼が帰ってきましたが、その顔になんだか元気がありません。

顔は青ざめ、少しうつむきかげんです。

もしかすると、風邪でもうつってきたのではないでしょうか。

「はあ…ぼく、どうしたらいいんだろう…」

その声に真っ先に反応したのはヘンリーさん。

「坊や、何か悪いことでもあったかの？
大方、また誰かに告白されたんじゃな」

すると彼はコクリと小さくうなずき、

「男の子に告白されたんだ」

話によると同性に告白されて少し困惑してしまったようで、とりあえずその場は一日だけ待ってと告げたそうですが、なんと返事をしていいのか困っていると言います。

「坊やは異性同性どちらに対してもモテるからのう。
いつかはこうなるだろうと予想はしておったのじゃが、実際に起きてみると納得じゃな」

「もう、おじいちゃん！もう少し真面目に考えてよう！」

「そうじゃな。では、訊ねるが、その子は坊やを『本当に』愛しているんじゃろうか」

「……えっ？」

ヘンリーさんの思いもよらない問いかけに、ぼくも彼もしばらく固まってしまいました。