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翌日、朝起きて顔を洗って、鏡で自分の顔を見たぼくは仰天した。

「ブ…ブサイクになっている！」

ぼくはルックスにはそれなりに自信があるほうだ。

映画会社から出演依頼が来るし、モデル業界からもお誘いがくるぐらいなのだから、自分ではあまり意識していなかったけれど、かなりの美形だったのだろう。

けれど、今のぼくの顔は違う。

顔じゅうに吹き出物ができ、前の顔とは想像できないほど醜くなっていた。

普通こんなことはありえない。

と、すると考えられることは、ただひとつだけ。

「おじいちゃん！」

一階に降りて、おじいちゃんに詰め寄った。

「おじいちゃんが魔法かけたんでしょ。どうしてくれるの、この顔！」

「まあ、一日たてば治るから心配はいらんよ。そしてきょうも学校に行ってくれんかの？」

「…やだよ。こんな顔見せられないよ」

するとおじいちゃんはニコニコ笑って、「心配ないのじゃ」と言った。

「わしがかけたのは幻覚魔法と言っての、その本人と対象者にだけ幻覚を見せることができる魔法じゃ。
ブサイクに見えるのは坊やと坊やを好きになった子とクロワッサンだけ。
だからそれ以外の人にはまったくそんな風には見えないのじゃ」

それを聞いて少し安心したけど、一体どうしてこんな魔法をかけたんだろう？

おじいちゃんの考えることはよくわからない。