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複雑・ファジー小説
- Re: 常闇の魔法青年-Twilight of Anima-キャラ求 ( No.16 )
- 日時: 2014/07/04 18:26
- 名前: 紅 (ID: gOBbXtG8)
- 参照: 四話〜蠢く黒影〜
「おい、上手くいったか?」
「上等ですよ。奴らは必ず、レグナートの餌となるでしょう」
「そうか……む?」
どこまでも続く完全なる闇の空間に灯された明かりは、わずか6つだけの蝋燭のみ。
中央に浮く水晶はどこかの草原の風景を映し出しているが、とても高原としては役に立っていない。
そんな外からの光を完全にシャットアウトしたこの場所では、低い声と気高い声が交互に響いていた。
中央の水晶に映る景色は常に動いている。
映っているのは1人の青年と1人の少年、2人の少女に対し、大きな龍が一体、相対している光景である。
低い声の持ち主は水晶の前に立ち、光景を傍観しているが、その光景に動きがあったことに気付いた。
水晶の中に映る青年が大きな闇魔法を展開し、龍を一撃で殺したのだ。
それを見るや否や、男は背後にいる細っこい体つきをした男を振り向き怒鳴った。
「ガリヴァー貴様、どういうことだ!」
「まあまあ、まずは落ち着いて下さいハデス様。チャンスはまだまだありますよ?」
「チャンスなどない。最初から確実に奴らを始末しろと言ったはずだ」
ハデスと呼ばれた男がそう言って姿を消すと、蝋燭の炎が1つ消えた。
同時に、ガリヴァーと呼ばれた件の男は呼吸困難に陥ったようにもがき始め、数分すると息を引き取った。
数分の間に行われた"魔王"による殺害。それは対象を苦しめるという、最も残酷な殺し方である。
「わしの話を聞かないからこうなる……」
ハデスは、再び水晶に映る景色を眺め始めた。
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