複雑・ファジー小説
- Re: ××異能探偵社×× 【11/15up!】 ( No.84 )
- 日時: 2014/11/15 19:07
- 名前: るみね (ID: 8hBaEaJR)
- 参照: ちょっとした後日談。
「ごゆっくり」
いつも通りご飯を運び終えた清子はクールにカウンターに戻っていた。
桃矢や創平は思わずそんな彼女を追ってしまう。
「ったく、見とれ過ぎ。馬鹿二人」
ウインナーをつまみながら紅魅が呆れた。
「いいじゃないですか!」
桃矢は誤摩化すように言うとロールパンを口に突っ込んで入りきらずにむせた。
あれから一週間。
探偵社はいつもの日常を取り戻していた。
あの後、軍警は禅十郎を取り逃がした。
どうやったのか手錠から抜け出し、追跡する軍警をまき逃げ果せたそうだ。
大貫は上司に絞られ、修兵は愚痴を聞くのにつき合わされたらしい。
しかし、【亡霊】の多くの構成員は牢に入れられた。
幹部も焔と悠真は死亡が確認され、花や路佑、彩らは【帝都】の監獄の厳重な牢に入れられた。
そして、元は【亡霊】で殺し屋まがいの事をしていた肝心の桃矢(正確には”櫻”だが)は__
「よかったな、社長に救われて」
大地の言葉に桃矢はうなずきつつも唸る。
『過去の事は関係なく、まっとうに生きていきたいなら”探偵社”でその分人を助けろ』
大地伝いに言われた社長の言葉だが、
「あの、俺の件までもみ消せるってココの社長っていったい何者なんですか」
出張らしいという事実だけは聞いていて、いまだに桃矢はあった事がない。
「基本的に社長ほとんどいないからな」
「俺も会ったの採用の時ぐらいだしな……」
創平の言葉に思わず「えっ!」と叫んでしまう。
「まぁ、知らない方が良いんじゃない?」
「いつかは帰ってくるだろ」
潤と修兵に 流された。
「じゃあ、清子ちゃんに聞きなよ」
鷹人がカウンターに立っている清子を指差した。
「え、なんで……」
「清子ちゃん。数ヶ月前まで探偵社員だったんだよ、しかも社長付きの」
突然の事実に桃矢は驚いた。
「そうなんですか!?」
「だいたい、創平が探偵社入ったのだって露人目的だろ」
「違いますよ!」
修兵の言葉を否定しつつも顔が赤い。
「え、なんで辞めちゃったんですか?」
「なんでだっけ」
「それも社長にしか言ってないよな」
他の面々も知らないようだ。
「唐突だったからなぁ」
「創平に引いたんじゃないか」
「なんでっすか!」
すると訳知り顔の牡丹が 面白そうに笑った。
「え、姐さん。知ってるの」
徹の言葉に牡丹は少しためらうように間を取ってから口を開いた。
「寿退社」
予想していなかった単語に桃矢、創平をはじめ軽い衝撃がはしる。
「!?」
「だ、なにそれ!」
「なんで!」
「は、え!?」
「相手は?」
その時カウンター裏から軽快な電話のベル音が鳴った。
すると清子がスッとカウンター裏に消えていく。
その様子にどこか見覚えがあって、桃矢の脳内である映像が再生された。
「まさか……」
「当麻医院の当麻先生」
「「「ええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーー!!!!?」」」
一拍置いた後、店内に驚きの悲鳴が響き渡った。