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複雑・ファジー小説
- Re: 【続編】ウェルリア王国物語-摩天楼の謎- ( No.2 )
- 日時: 2014/07/02 16:40
- 名前: 明鈴 ◆kFPwraB4aw (ID: OfnHQlxu)
【プロローグ:夢の中-the boys-】
あの日から一体何年経ったのか——
サラサラと零れ落ちる砂を見つめ、少年はそのようなことを思った。
否、自分はもう何年も前のことのように思うが、実際のところ、半年しか経っていないのかもしれない——
そのように考えを巡らす少年の瞳は何も映していなかった。
一定の速度で降り積もった砂は、なだらかな弧を描いた丘となる。小さなガラスの中に閉じ込められて、それは存在していた。
ただ、時を刻むために。
それだけのために。
砂は落下し続ける。
そうして、少年は砂時計をひっくり返した。
——それは幻想か。
はたまた、現実なのか————
「天国に1番近い場所……か」
つぶやいた言葉に、少年は思わず微笑した。
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