複雑・ファジー小説

Re: 妖退治屋 いざよい ( No.12 )
日時: 2014/07/21 14:30
名前: 蜂蜜 (ID: MLDU0m30)

:其の七:赤鬼と青鬼 


「不用心よね。式紙が侵入できる結界だなんて。」

静かな声が部屋に響いた。
しかし手にあるのは、———

———空の、首だった。

なぎなたは床に転がっている。空には届きそうもなかった。

「ぐ・・・。」
「ねえ、なんであのときあなたは死ななかったの?他の奴らは一瞬だったのに。」

空が目を見開いた。
声を出そうとするが、ただのうめきにしかならない。

「赤鬼様も、私も、それが聞きたいわ。どうしてあの時———」

「おい赤!」

庭に面した障子が開いた。
いままで薄暗かった部屋に月光が差し込み、明るく照らされる。
赤鬼が振り向いた時、空は一瞬できた隙間を使って赤鬼の手から逃れた。
荒く息をしながら部屋の隅に逃げる。首には赤い痣ができていた。

「青鬼——じゃないわね、式紙か。それより、逃げられちゃったじゃない。」
「取り込み中だったか。すまん。で、こいつらどうする?庭にいたんだが。」

青鬼の背中にも、赤鬼と同じ物がまるで意志を持つ生き物のようにそこにあった。
そしてそこには、青鬼の言う『こいつら』——斑毛と水華——がそれに巻き付かれるように捕まっていた。
赤鬼が、おもしろくなってきた、とでも言うように空をちらりと見る。

「・・・いや、片方は既に死んでますし、もう片方は妖術使えるんで、助けるために急激に強くなったりしませんよボクは。」

ですよねー、という斑毛の言葉に赤鬼はすっとしらけた顔になる。

「んじゃ、ちゃっちゃと仕留めようか。」
「そうねー。さっきの質問のこたえ聞きがてらいきましょうか。」


=お知らせ=
進まない・・・!話進まない・・・!
そして赤青編どこまで続くんだよと思っているそこのあなた、大丈夫です次には終わらせます!たぶん←