複雑・ファジー小説

Re: 妖退治屋 いざよい ( No.6 )
日時: 2014/07/17 16:55
名前: 蜂蜜 (ID: MLDU0m30)

:其の四:赤鬼と青鬼 一


赤鬼は囲まれていた。
ふわふわした米国の服を身にまとい、しとやかに座りながら、それに囲まれていた。

「ああ、暇ですわ。」

赤鬼は鳴いた。高く、低く、周りから賛同の声が上がる。
うごめくそれの中で、赤鬼は封印具である苔むした石を見上げた。
す、と手を伸ばすが、巻かれた護符の力で跳ね返される。そんな特殊な八つの石に囲まれていた。

「ねえ青鬼、そう思わない?・・・って、自由なあなたにはわからないかしら。」
「わかんねぇなぁ、封印される気もない。」

いつからいたのだろう。
木の上で、足をぶらぶらさせながら、青鬼は赤鬼に返事をした。

「それになぁ、おもしろいことを聞いたぜ?町の妖気が減ってるんだと。」

暗闇を見据えていた、赤鬼の目が上へあがった。
それにあわせて、赤鬼にまとわりついていたうごめく影が揺らいだ。

「行きなさい、私の忠実な式紙よ。私のかわりに、行っておいで。」
「おいおい、ちと早すぎねぇか?」

あきれたように木から飛び降りる青鬼に、黒い影から赤鬼の姿になっていく式紙は、にっこり笑いながら返す。

「だって、退屈しているのよ?これ以上の理由があるかしら。」


=お知らせ=
短い・・・弐、あります。
時間がないのでこれでごかんべんを・・・!