複雑・ファジー小説

Re: 三千世界の軌跡-Hope of glow-キャラ募集 ( No.13 )
日時: 2014/07/24 08:53
名前: キコリ ◆yy6Pd8RHXs (ID: gOBbXtG8)

 裏世界の内部は、見た目だけは現実世界とほぼ変わらない。
 だが実際に入ってみると、さっきまでいた場所とは違う場所にいたりする。
 現に雄介は、とある都会の真ん中に立っていた。ビルばかりが聳え立っている反面、人がいないので気味が悪い。

 雄介はこの裏世界で、今までの経験上から捜さねばならない人物がいた。
 急ぎ足で1軒のビルへやってきて、躊躇いなく窓ガラスを足で蹴り破って中へと入る。
 彼は少し急いだ。何故なら捜しだすべき人物は、この町の運命を握っている、と言ってもよいのだから。

「早速のお出ましか」

 だが、急ぐ彼を邪魔するものは当然いる。いないはずがない。
 彼の前に、3人の人間が階段への道を通行止めした。
 人間というよりは、蠢く死体、と言ったほうが正しいかもしれない。
 目の前にいる死体3人の皮膚は一部が酸にやられて溶けており、髪も伸びきっていて汚れている。
 衣服も破れたり汚れたりしていて、3人のうち1人は服を失ってさえいる。

 相手は人間の姿をしているが、雄介は躊躇わない。
 手からカードを数枚引くと、彼はそれを自分の周囲に円を描くように展開した。

「行け」

 そう一言呟けば、展開されたカード1枚1枚から、思念体となったカードの分身が出現した。
 同時に比較的ゆっくりとしたスピードで、それは強力な追尾をしながら敵に向かって飛んでいく。
 カードが当たった相手には切り傷がつけられ、力を失うまで、カードは敵の身体を抉り続けた。
 雄介はその隙に、デッキから思念体のカードを5枚ドローした。
 今度はそれらを、自分の目の前で円を描くように展開。
 すると白く輝く魔方陣が組み上げられ、無数の光弾が出現。敵に降り注いだ。

 1分もしないうちに戦闘は終了する。
 雄介は展開したカードをデッキに戻して懐にしまい、先を急いだ。