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複雑・ファジー小説
- Re: 三千世界の軌跡-Hope of glow-キャラ募集 ( No.29 )
- 日時: 2014/07/30 19:11
- 名前: キコリ ◆yy6Pd8RHXs (ID: gOBbXtG8)
雄介は家に帰るなり、鞄を放り投げてベッドに乱暴に倒れこんだ。
まだ夕日が窓から差し込んでくる。眩しくて、彼はカーテンを閉めた。
そして、紫色の宝珠が埋まった時の腕輪を眺め始めた。
考えれば考えるほど、不思議な代物である。
いつの間にか自分の持ち物となっていて、失くしたかと思っても、いつの間にかまた腕に嵌っている。
機能的には、時間軸を遡って過去へと飛べるだけでない。裏世界での戦いにおいて、少しだけ時をとめることもできる。
未来を見通したり、未来世界へ飛んだりすることは出来ないのだろうか。
そう思ったときもあったが、どうやら出来ないらしい。
雄介は腕輪を眺めるのをやめて、考え事に耽ろうとした。
前回とは打って変わって、色々とおかしい今回の因果についてである。
しかし実際はおかしいと感じるだけであって、さらに今回は記憶が曖昧だ。
この因果で過ごしてきて、色々と思うところもあった。
しかし今になって考えてみれば、記憶が曖昧な以上、前回の因果と比較したものは全て予想となる。
はっきりしていない記憶の中で結論を出すのは無理があるのだ。
そんなどうしようもない事実に気付いたので、彼は考え事に耽るのをやめた。
記憶がどうだとか、そんなことは関係ない。変わらなかった過去を変えるためにこの時間軸へとやってきたのだ。
やるべきことは1つ。朱音との約束を果たす。所詮はそれだけだ。
「はぁ」
雄介は大きく溜息をつき、風呂場へと向かった。
色々と予想外の事が起こり過ぎて、疲れてしまったのだ。
彼は夕食も摂らずに入浴を済ませ、そのまま眠りについた。
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