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複雑・ファジー小説
- Re: 創始のカルネージ ( No.11 )
- 日時: 2014/07/29 00:47
- 名前: 石鹸糖 (ID: 60TA9nBF)
和馬はけたたましい目覚まし時計のアラーム音で叩き起される。
時計を見ると針はまだ午前3時を指していた。
今日の和馬は、今までの和馬と大きな違いがあった。
それは、強くなりたいという気持ちが強くなった事である。青光を見返してやりたい、そんな思いが和馬を動かした。
和馬は顔を洗うと、さっさと支度を済ませて訓練室に向かう。
訓練室の扉を開けると、流石にこんな時間帯なので室内は静まり返っていた。
すると、突如響いた女性の声に和馬は思わずびくっとする。
「今日は早いのね、珍しい。」
「うわっ!? 何だ、隊長か……。ああ、ちょっとな。」
「遅刻しないのは良い心がけ。それじゃあ、訓練を始めるわ。内容は昨日と同じ。」
どうやら今日の訓練はマンツーマンで行うらしい。
射撃の名手とも呼ばれている悠乃の目の前で訓練を行うのは、やはり緊張する。
引き金を引き、狙いを定めて撃つ。
駄目元でやった為、おそるおそる瞳を開けて訓練用模型を見ると、模型の頭に穴が開いており、そこから白い煙が出ていた。つまり、命中したという事である。
その後も射撃を続けるが、20発中14発が命中。
意思はここまで人を変えるのか、と我ながら感心した。
「……よほど悔しかったのね。合格。今日の訓練はこれで終わりよ。」
「え、もう?」
「とりあえず新人教育カリキュラムは終了したから。その実力は実戦で披露して」
自分の言いたい事を一方的に喋ると、勝手に悠乃は出て行った。
相変わらずコミュニケーションが足りない隊長だな、と思いつつ軽く伸びをすると和馬は、支部内を探索しようと訓練室を後にする。
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