複雑・ファジー小説

Re: 創始のカルネージ ( No.6 )
日時: 2014/07/28 23:26
名前: 石鹸糖 (ID: 60TA9nBF)

第一章 = alone =


真っ白な壁と天井。
清潔そうなイメージを与える部屋に、人間として生活する上で必要最低限の家具が揃えられている。
ここは、所謂「正義の味方」の組織、ナーヴの組織員専用の寮室だ。贅沢な事に一人一部屋である。

そんな寮室の中で一人、出勤間近だと言うのに、やっと準備を始めている人物が居た。その人物の名は水津園和馬。
一週間前にナーヴの隊員として配属されたばかりの新人だ。

つい先ほどまでぐっすり寝ていた事を頭の寝癖と腫れ気味の目が物語っている。

「やっべ……絶対隊長にシメられるわコレ」

和馬は緑色をした奇妙な栄養ドリンクをがぶ飲みする。
いくら栄養があると言え、お世辞にも美味しいと言えない。
思わず和馬は嘔吐しそうになるが、危うく抑えられた。
顔をはたいて気分を入れ替えると、和馬は殲滅作戦遂行局の証である赤いジャケットを羽織り一目散に訓練室へと駆け出す。