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複雑・ファジー小説
- Re: 創始のカルネージ ( No.7 )
- 日時: 2014/07/28 18:32
- 名前: 石鹸糖 (ID: 60TA9nBF)
息切れしながらもやっとの事で訓練室に到着すると、そこには他の第一部隊隊員と、腕を組み蔑むような目線で、こちらを見ている女性が居た。
彼女の名は宮木悠乃。和馬が所属する第一部隊の隊長だ。隊長という事もあり腕っぷしはかなり強い。
今日は第一部隊全員が戦闘訓練を行う予定だったのだが、この通り見事に遅刻したのである。
和馬が何とかして言い訳を考えている内に悠乃の方から話しかけられる。
「20分も遅刻したわけだけど......その理由は?」
「寝坊デス......」
悠乃の淡々とした質問さえも、二日酔いの和馬の頭には響きずきんと痛む中で答える。
悠乃は和馬の頭の寝癖を暫く見つめ、小さなため息をついてから話を続けた。
「まあ良いわ、今日は射撃訓練よ。銃を渡すからそれで目標対象を撃って。では始め」
その言葉を皮切りに、訓練室に銃声が響き渡る。
和馬は暫く他の隊員の射撃をぼーっと見ていたが、はっと気がつけば、自分も負けじと狙いを定めて撃つ。
何発か撃ってはみたが、壁や床に当たるだけで一向に命中しない。若干落ち込んでいると、隣の男がニヤニヤしながら嫌味ったらしく話しかけてくる。
「あーあ......。お前さ、幾らなんでも射撃が下手過ぎだろ?」
「いきなり何だよ......?」
「いや、お前みたいな奴がここにいるのが疑問でさ。世も末だよなー?」
「はあ?余計なお世話だっつーの!」
苛々しているのに、火に油を注ぐような発言で大人げなくつい大声で反論してしまう。
すると悠乃の視線がこちらに向いてしまったので、和馬は舌打ちをするとそれ以上何も言わなかったものの、苛々した気分は治まるはずもなかった。
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