複雑・ファジー小説

Re: 魔法少女戦記 ( No.13 )
日時: 2015/08/25 11:25
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

「グフォフォフォフォフォフォ!」

スチールマンと名乗る敵の攻撃に、ゆきちゃん、まいかちゃん、あいなちゃんの3人が倒されてしまった。

残ったのは、私ひとり…どうしよう…

「話にならんな」

敵は彼女たちを一瞥して、帰ろうとした。

「待ちなさい!まだ…まだ…私が残っているんだから!」

気が付いたら、自分でも驚くほどの大きな声で敵を呼び止めていた。

敵がこちらを振り返る。

その姿に、恐怖を覚え、自然と自分の足が小刻みにぶるぶる震えだし、涙で敵の顔がよく見えなくなるのがわかる。

でも…ここで私が逃げたら…

倒れ伏して動けなくなっているみんなを見ると、体の奥底から勇気が溢れてくるのを感じる。

しっかりと立ち、敵を見つめる。

「私は…負けなない…あなたに勝つ…!勝負よ、スチールマン!」

「グフォフォフォ…いい度胸だ。だが、後悔してもしらんぞ」

ニヤリと邪悪な笑みを浮かべる敵に、私は毅然とした態度で言い放った。

「後悔なんかしない!さあ、勝負よ!」

「そこまで言うのならば仕方がない。行くぞ!」

スチールマンはまるでサイのように猛スピードで私に突進してくる。

「きゃあ!」

その威力に吹き飛ばされるものの、壁を蹴ってUターンして、敵にドロップキックを浴びせる。

「…なかなかやるようだな、雷の魔法少女。だが、コイツはどうかな?」

敵がハンマーを振り回してきた。けれど、私は逃げない。正面から受け止めて見せる!

「何ッ!…コイツ、俺のハンマーを受けとめた…!?」

「はあああああっ!」

渾身の力で押し返し、敵を吹き飛ばすが、敵は素早く体勢を立て直し、立ち上がる。

「はあああああっ」

「うおおおおおおっ」

拳と拳のぶつかり合い、少年漫画さながらの激しいラッシュがお互いに続く。

拳を振り上げる一瞬の隙を突いた、私のパンチが敵の顔面に当たり、彼はのけ反った。

「サンダァァーレイィーン!!」

大量の雷を敵の頭上に降り注がせると、スチールマンは少しダメージを負い、

「今回は油断した。次会う時は覚悟するがいい、雷の魔法少女!グフォフォフォフォフォフォ…」



「はあ…はあ…はあ…あの雷の魔法少女、外見に似合わず、侮れん…」

俺は本拠地に帰るなり、片膝をついた。

その様子を見た他の3人は、

「まあ、お前にしちゃ、上出来だ。ゆっくり休んでな」

ウルフマンは布団を用意し、俺を寝かせ、サンドウィッチは胃に優しい食事を俺に振る舞い、パペットマンは俺がよく眠れるようにと、本の読み聞かせをしてくれた。

みんな、なんていい仲間なんだ…

俺は心の中で奴らに感謝しながら充電に入った。